K ページ39
バランスを崩した拍子に、オレの腕を掴んでいた藤ヶ谷の手が離れる。
そのままグラリと前方に身体が傾いて…
やばいっ…！
そう思った時にはもう遅く、オレは頭から派手に砂浜へと突っ込んでしまった。
ズザザーッ！
「…っ…いってぇ…」
F「北山！大丈夫？」
藤ヶ谷が慌てて駆け寄ってくる。
…だ…大丈夫じゃないっ…！
だから言ったのに！危ないって！
力任せにグイグイ引っ張るから、結局転んじゃった
じゃん！
それにお前…なに簡単に手離してんの！？
「・・・・・。」
F「ごめん、ごめん。あーあー…立てる？」
手を差し出す半笑いの顔が憎らしくて、それにはつかまらず、自力でヨロヨロと立ち上がる。
大体…
「何でそんなに急いでんの！？」
F「いや…だって…。
早く具体的な事決めたかったし、
急がないと、また北山色々考えちゃうと思ったから…」
…もしかして、全然信用されてない？
「何を心配してんの？オレ、気が変わったりなんかしないよ？」
F「…う〜ん。やっぱ心配かも…」
なんだよ。信じろよ。
こいつ、オレの一大決心を全くわかってないな！
心の中でブツブツと文句を言いながら、服に付いた砂を払う。
上から下まで砂まみれ。お気に入りのニットには砂が入り込んでいる。
「クソッ！」
ブンブンと頭を振って砂を落とす。
F「あー北山。やっぱり今日は泊まった方がいいよ。これじゃ気持ち悪いでしょ？シャワー浴びよう？」
パンパンとオレの砂を叩きながら藤ヶ谷が言う。
うぅ…確かに…。
でも…。
F「大丈夫。北山の身体は隅から隅まで俺が綺麗にしてあげるから」
はぁ…？
F「中も…奥も…、砂が入ってないかちゃんと見てあげる…」
「・・・・・？」
んっ？…えっ！？ぎゃっ！！変態！！
驚いてオレの腰の砂を払っている藤ヶ谷から身体を避ける。
F「…はぁ…もーそんな顔しちゃ駄目だよ。我慢できなくなっちゃう。
あっ、でも安心して？ちょっとくらいシちゃっても2、3時間は眠れると思うよ？」
「・・・・・！？」
無理無理…！！
そう言う事しない代わりに海に来たんじゃないの？
あの二択は何だったの？
詐欺だろ！？
F「きたやま…」
ジリジリと後ずさるオレを、藤ヶ谷の腕が簡単に捕まえる。
「いっ…嫌だよっ…それじゃ全然寝れないじゃん！
う…んっ…や…だっ…ふじが…や…」
F「ちゅっ…。フフッ…可愛い…。
きたやま…美味しい物食べて…気持ちイイコト沢山しよう？…ね？」
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作者名：茸 | 作成日時：2018年1月9日 9時
