心・躰 (ページ26)

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K「大体なんだよ！！すぐそっちの方に話しを持って行きやがって！！えろいのは藤ヶ谷だろ？！
お前は、その存在がすでにえろいからなっ！！」

余程頭にきたらしく、『息してるだけで…』とか、『立っているだけで…』とか、散々言ってプイっと横を向いてしまった。

…ああ…。やっちゃった…。
せっかく誤解を解いて、仲直りしたのに…。

横目でチラリと見れば、顔を窓の外に向けて、動かない。
もしかして…泣いてる…？

「…ゴメン…。変なこと言って…。俺も、北山が隣にいれば、どんな景色も特別に見えるよ？」

さっきと同じ様に、ブランケットの上に置かれた北山の手に、自分の手を重ねて謝る…。

K「…ウソくさっ…」
顔を外に向けたまま、俺の手をパシリと払う。

「…本当にゴメン…。俺…、北山が好き過ぎておかしいんだ…」
素直にそう言えば、

K「お前…。馬鹿だろ…」
赤い目で俺をチラリと見上げて、またすぐに、顔を外に向けてしまった。

払われた手を、もう一度重ねてみる。
ピクリと身じろぎしたけれど、今度は払われなかった…。
少しは許してくれたのかな…？

北山と付き合える事になって…。
北山の心も、身体も手に入れて…。
自分の願いは全て叶ったと思っていた。

でも、それは違った…。

片想いの時間が長過ぎたのか…？
ただ北山を見つめる事しか出来なかった不甲斐ない自分を思い出して、辛いからなのか…？

さっきみたいに、無防備な北山を見ると、心がザワザワして、冷静でいられなくなる。

北山と二人で過ごす時間が、増えれば増える程、独占欲や、嫉妬の感情が俺を苦しめる。

今日みたいに、お互いの気持ちを確かめ合った時でさえ、酷い事を言って、北山を傷つけたくなってしまう…。

これって…病気かな…？

俺の心は、いつも満たされる事がない。
心が…身体が…もっともっと…と北山を欲しがる。

本当は優しく、包み込む様に愛したいのに…。