心・躰 (ページ19)

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本当に俺と別れるつもりだったんだ…。

北山の行動に少なからずショックを受けた自分がいる。

俺の中に北山と別れると言う選択肢はないから…。

でも、、もし逆の立場だったら…？

俺だって思いもしない行動を取ったかもしれない…
(絶対別れないけど…。)

二人の揺るぎない2年間…。

それがあっても耐えられなかったのだろう…。

それ程の衝撃…。

今回のことはどれだけ深く北山の心を傷つけてしまったのか？

一晩中泣きながら俺の物を片付けている北山の姿が脳裏に浮かび、自分の心もズキリと痛んだ。

テーブルに置いたままになっていたティーカップを片付ける。

「見た事なかったな…こんなカップ…。」

一緒に海に行って…美味しい物を食べて…買い物をして…

甘い夜を過ごして…。

自分が考えていたデートプランを思い出してガックリと肩を落とす。

北山、俺の家なんて二度と来たくないだろうし…。

はぁ…。出来る事ならやり直したい…。

昨日を…。

「北山…。」

静かに寝室のドアを開け、まだ眠っている北山に声をかける。

「北山…？」

「きたやまっ！」

何度か呼びかけるとモソリと身体の向きを変え少しだけ目を開けた。

「北山…、起きられる？」

そう聞くと首を横に振りまた眠ってしまいそうになるから慌てて身体を揺する。

頭まで布団を被ろうとする北山の腕を掴みグッと抱き寄せれば『…ふ…じ…が…や…？』と掠れた声で聞いてくる。

その声に軽く目眩を起こして、そのまま北山を押し倒しそうになったけど、、

負けないように超低音ボイスでささやいた。

「ねぇ、北山…。海に行こう…？」