心・躰 (ページ13)

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K ページ13

「北山、、、。」

藤ヶ谷に呼びかけられてハッとする。
ぐるぐると考えていたらだんだんイライラしてきた。
何を言っても別れたくないって言ってくるし…。
一体オレにどうしろって言うんだよ…。

ギシッと音を立ててソファーから立ち上がった藤ヶ谷が、ダイニングの椅子に座っていたオレに近づいてくる。

Ｆ「北山の思ってる事全部俺に言って？」

藤ヶ谷の手が身体に触れそうになり、慌てて席を立つ。

・・・その手でさわんな・・・。

Ｆ「北山…どうしたの？」

他の人に触れた手でオレにさわんなっ・・！！

Ｆ「きたやまっ！」

キッチンのカウンターに追い込まれ、手首を掴まれそうになった時オレの中で何かがキレた。

「・・っいい加減にしろ！！オレは昨日見たんだよ！！ふっ、藤ヶ谷が寝室で女の人と一緒にいる所！！」

一度口から出てしまったらもう止まらない。こらえていたモノが後から後から溢れてくる。

「…っだからお前がずっと一緒にいたいとか、絶対に裏切らないとか言っても信じられない！！」

「藤ヶ谷とはもう一緒にいられないっ！！」

はぁはぁと荒く呼吸をし、フーっと息を吐く。

藤ヶ谷が目を見開いてじっとこっちを見ている。

バレて驚いているのか…？それとも何か言い訳を考えているのか…？
ズキズキと痛む胸をギュッと抑える。

Ｆ「・・知ってた・・。」

藤ヶ谷がポツリと言う。

Ｆ「北山が家に来たこと俺知ってたよ。」

「えっ…？！」

知ってた…？
じゃあオレが嘘付いてた事も…？

「おっ、おまえ…あの時起きてたの…？」

思い出したくない光景が頭の中に蘇り目が霞む。

Ｆ「起きてないよ。打ち上げの時薬盛られたみたいで、ずっと起きられなかった。」

・・薬・・？！薬って睡眠薬みたいな・・？！

予想していなかった事実に頭が混乱する。

Ｆ「もっと早く説明しようと思ったんだけど…、北山俺の家来てないって言うし。…別れようって言ってくるし…。」

「・・・・・・。」

…何かオレ…すごく気まずい…。

しばしの沈黙…。