心・躰 (ページ2)

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K ページ2

いつもは中々起きられないけど今日は早く目が覚めた。

しばらく会えなかった恋人に久しぶりに会う。

…そうだアイツの好きなスイーツ買って行こう！

準備をして店へと急ぐ。

何が良いかな…？

とりあえずフルーツが沢山のと、あっこれも好きそう…。

いくつか選んで箱に詰めてもらう。キラキラしていてまるで宝石箱みたい。

自然と顔が綻ぶ。

喜んでくれるかな。

タクシーに乗りアイツのマンションへ。

天気が良くて気持ちがいい。街の景色もキラキラしていて、まるで宝石箱の様だ。

…少し早く着いちゃったけど、まっいっか。

インターフォンを押すが返事が無い。

まだ寝てるのかな？ドラマの打ち上げだし、遅くに帰って来たんだろう。

貰った合鍵で部屋に入る。

ドアを開けたとたん感じるいつもと違う香り…。

なんだろう…？女性物の香水？

玄関にはアイツの靴とファーのついたヒール…。

えっ…⁉ 誰かいるの？部屋に入れたの？

胸がドキドキして持っていたケーキの箱がカタカタと揺れる。

「藤ヶ谷…？」

呼びかけてリビングのドアを開けるけど返事は無い。

嫌な予感。

視線は真っ直ぐ寝室へ…。

ケーキの箱をテーブルに置くのも忘れ、寝室のドアに手を掛ける。

自分の手が震えているのがわかる。

そっと開けたドア。部屋の中は暗くて良く見えない。

リビングからの光でぼんやりとベッドの周りが照らされる。背中を向けている躰。

藤ヶ谷…。

声を掛けようとしたその時、布団の中から白い腕が伸びてきてその背中に絡み付く。まるで蛇みたい。

その瞬間息が止まった様な….。

時間が止まった様な…。

それからの事は覚えてないけれど、気が付くとオレはまたタクシーに乗っていた。