日常と呼ぶには ページ8
彼とお付き合いしてからというものの、これといった事はなくて
毎日連絡を取り合うぐらいだ。
起きてからのおはよう、日中のなにしてる？報告、夜のおやすみ
段々とLINEの履歴が増えていく。
・
夜の8時
今日はミスが多くて珍しくいつもより帰宅が遅くなってしまった。情けないなくてとぼとぼ歩いて帰路に着く。
ピコン
北斗さんねぇいまおうち?
うん。さっき帰ってきた
なんてやり取りしていたら、画面に映る大きな「北斗さん」の文字。
突然の事に驚きながらも電話にでる。
『はい、』
「もしもし？俺だけど」
『うん笑 わかってるよ』
「あ、よかった笑」
『どうしたの電話なんて、初めてじゃん！』
「いや、声聞きたくなって」
まだ緊張してる私を他所に、彼から発せられる言葉にドキドキしてしまう。
『なにそれ、笑』
「ダメだった？」
『ダメじゃないよ、大丈夫。嬉しい。』
「今日はどんな日だった？」
『普通だよ笑 普通。』 「普通ってなによ笑」
「なんかあった？」
なんて急にトーン下げて言うもんだからびっくりしてしまう。
『なんで？』
「いや。帰宅時間遅かったし、あんまり元気無さそうだから。」
『えー？笑 そんなことないよ。』
大好きな彼に、まして、私より疲れ悩みがあるであろう北斗さんに話せる勇気はこれっぽちもなかった。
「A？ あのさ、色々思ってるかもしれないけど、
俺はAのこと全部聞きたいし、知りたい。」
『ふふ、好きだねほんと』
「ははっ好きだよ」
『今日はね、ミスいっぱいした。』
今日の事をつらつら話している間もうんうん、と相槌打って
時にリアクションもしてくれる彼。
『それぐらい。聞いてくれてありがとう』
「こちらこそ話してくれてありがとう」
これからまた色んな話をして、お互いに眠気が来て
そろそろ電話も終わる。
『北斗さん、ありがとう大好き』
「、、明日の夜ご飯食べに行っていい？」
『え、家くるの？てか急だね？』
「あまりにも可愛いこと言うから会いたくなった」
『なにそれ笑 わかった待ってる』
「うん、ゆっくり寝てね」
初恋のような私たちの電話。
付き合ってからわかった事、彼はすごく甘いし
とっても気にかけてくれ大切に思ってくれるのだ。
すごくまだ特別な日々だけどいつか日常になるのかななんて
北斗さんおやすみ。また明日ね
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作者名：ぽる | 作成日時：2023年5月15日 17時
