クロッカス (ページ6)

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花言葉だなんてページ6

18時になり一旦お店を閉める。

今日の記録や、お花の確認などをして気づけば19時。

コンコン

今か今かと待っていたら戸を叩く音。

『はい』
ガチャ

北斗「こんばんは」

『お待ちしておりました！』

ふふ、なんて2人で少し小っ恥ずかしい

松村さんは完全にオフモード。
お客さんがいない事を知っているのでマスクもなしだ。

『しっかり素顔見たの初めてです、』

北斗「え？ほんと？！」

ほんとほんと、なんて少し前からの友達みたいに話す。
お互い慣れてきて、お花を選んでる間もお喋りをする。

北斗「ねぇ、これに合わせるお花なにがいいかな？」

『うーん、これとか？？』

2人で店内をウロウロ。
あれじゃない、これじゃないだなんて。

『なんかさ、さっきの草太さんの登場シーンみたい、笑』

北斗「バカにしてんでしょ笑」

『してないです！え、言ってみてくださいよ笑』

北斗「する訳ないじゃないの笑」

えーけち！なんて言えば頬を赤くしながら、
やってくれるもんだから大爆笑

北斗「笑いすぎだよ」

『だってほんとにやると思わなくて笑笑笑』

はーあなんてまたお喋り。
でもその時間は有限で。

北斗「じゃあこれで！」

お会計もしながらお花を包む。
飾り用なので簡易にはなるがリボン付けてみたりと楽しんでるのだ。

北斗「あの、！！」

『どうしました？』

なんか気になる事あったかな、と何故か少し緊張してる様に思える彼を見る。

北斗「これ、よかったら、」

私の目の前に差し出されたのは、3本の赤いバラだった。

『……ぇ、』

北斗「ごめんなさい、きもかった、ですよね？」

『や、違うくて…この意味知ってて渡してますか？』

北斗「僕は貴方のことが好きです。僕とお付き合いしてくださいませんか」

なんてすっごく真剣な目をして見つめられる。
急すぎて驚きと同時に心臓がバクバクとうるさい。

北斗「返事はいつでもいいんで！僕の仕事的に恋愛は向いてないけど、貴方となら一緒に過ごしたいんです。」

一方的に話してじゃ！なんて帰ろうとするから、

『まって！えっと、』

衝動的に腕を掴んでしまった。

話す言葉も何も考えてなくて詰まる私に彼は優しい目で、
ゆっくりでいいよ。なんて言ってくれる

『私はそのややこしい性格だし、一般人だし、でも私も松村さんの事がすき、です』

『私でよければよろしくお願いします。』

しどろもどろで言えば明るく微笑む彼。