クロッカス (ページ2)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:2,223 hit

いらっしゃいませページ2

わたしと、彼との出会いは在り来りで。
でも普通ではなかったと思う。

・

花屋には様々なお客様がいらっしゃる。

現在時刻 17:50
ちなみに、営業時間は10:00から18:00だ。

カランカラン

『いらっしゃいませ、何かお手伝いしましょうか？』

客「あの、花束が欲しくて、、」

『花束ですね！お祝い事ですか？』

客「実は、プロポーズをしようと思っていて…」

わたしは、人と関わるのがあまり得意ではないが、
この仕事は大好きだ。

大好きなお花に囲まれながら、
自分のペースで働ける。

それに、お客様が喜んでくれる姿が
何よりも好きなのだ。

『ありがとうございました！
プロポーズ頑張ってくださいね』

なんだか幸せのおすそ分けをして貰った
気持ちだ。

カランカラン
？「あの！まだお店やってますか！！！」
『あ、はい、大丈夫ですよ！』

駆け込みなんて珍しいことだった。

？「ﾊｧ、よかったあ、、」

『なにかお手伝いしましょうか？』

？「いえ、飾る用なのでお構いなく、」

そう言った、長身で少しガタイが良くて、顔をマスクで覆っている男の人を眺める。

どっかで見たような気もするような、ないような、

？「あの、これでお願いします」

声も聞いた事あるようで、むず痒い。なんだっけ、

？「あのー、、？」
『あ！すみません！！お預かりしますねー！』

気になり過ぎてお客様のこと忘れてしまってた。

そして私の謎が解けた。
この間ドラマに出ていた人だと。
確か、松村北斗とかいう名前だったと思う。

場所が場所なので、稀に芸能人が
来てくださったりもする。
プライベートなのでその事には絶対に触れない。

びっくりしたのが、お会計時も喋ってくれたのだ。

北斗「このお店って何時までなんですか？」
『10時から18時です』

北斗「全部に花言葉も書いてらっしゃるんですね」
『そうなんです、私が花言葉が好きで、笑』

なんて少しの時間のお喋り。

『ありがとうございました！』
北斗「あの、また来ます、」

カランカラン

『まって、また、来るの？？』
1人でプチパニックだ。

この日は何だか夢なんじゃないかとふわふわした
気持ちで眠りについた。

・

そしてこれが、私たちの出会いだった。