社 長 秘 書 ( 黄 ) １８

☆８８１ ページ31

ヨコに頼んでいたのは、

引き出物の焼き菓子のおせんべい。


実家でおせんべい焼いてるらしいから

ちょっとお願いしてサンプル的なものを持ってきてもらった。



横「 こういうの、２人で決めるもんやないの？ 」


淳「 Aには内緒やねん。」


横「 ほーー、」



Aには内緒で、プロポーズは姉さん曰く微妙らしかったから

今回はサプライズで、張り切って、

Aが驚いて喜んで泣く所を見たくて。

こっそり準備を進めていた。




横「 Aのおかげなんかな、淳太が変われたのは。」


淳「 ……………… 、 」


横「 昔は、人を引き付けない、冷たい目してたもん。懐かしい、」


淳「 …… 、うっさいな、」


横「 思春期っていうか、あれは中二病やな。教科書にお手本で載せたいくらい。」


うひょひょひょひょって笑いながら

ヨコは笑い転げるからボールペンを投げつけてやった。



横「 でも、そんな俺は淳太の数少ない、心を開ける人間やと思ってるけど？ 」


得意気に笑って俺の頭をポンと撫でた。



横「 結婚おめでとう、いい嫁捕まえたなぁ。」


淳「 ……………… 、 」


横「 でも、女の子は結婚式の予定決めるの憧れてるんちゃう？ 」


淳「 ………………… ！？ 」


横「 ふっ、じゃあせんべい置いてくから味見よろしゅうなぁ。」



俺の悩みを１つ、せんべいと一緒に置いていったヨコは

財布を忘れて帰って行った。

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