社 長 秘 書 ( 黄 ) １７

# ８４６ ページ46

「 はー、うちの息子もやっと結婚したわ。」


流「 … 、そうですか。おめでとうございます。」


「 …… 、かわいいお嫁さんなのよ。」


中間社長から、淳太さんとAが入籍したことを聞いた。


社長と淳太さんが家族だから、

そういう情報はすぐ俺の耳に入る。



そっか、やっと。…… 結婚したんか。

もうAは本当に淳太さんのものになったんやな。


嬉しいけど、やっぱり、複雑だった。

俺じゃやっぱり幸せにできんかったんやね。とか

あの時、別れてなかったら … とか変なことばかり考える。




「 … 藤井、私の買い物に行ってきてくれないかしら。」


流「 … は、はい。かしこまりました。」


「 ローソンのスピードくじしてきてくれないかしら？ 」


流「 …………… は？ 」


「 日本のローソンで明日からスピードくじ TAKATSUKING なのよ。」



１週間くらいでいいわね。行ってきてちょうだい。と

社長はニヤニヤしながら俺の顔を見ていた。



「 ケジメつけてきなさいよ 」って

耳元で囁かれて、

そのまま勢いで台湾から帰ってきた。




流「 ……… ケジメ、か、」


空港の中にある免税店で時間までフラフラしてたら

星のモチーフのピアスが目に入った。



流「 これください、」


値段も見ずに、無意識に買ってしまっていた。

無意識にAに連絡して、会う約束してた。



これで、最後にしよう。


もう、本当にAとはこれで終わり。


今日だけ、最後にデートだけして、

笑顔で終わろう。


もう 好き なのはやめよ。


それでも、好きな気持ちが捨てきれなくて

選んだ花が俺らしくないけど

８／１８の誕生花の３種類の花を花束にしてもらった。



コリウスって葉っぱみたいな花がかなわぬ恋。


クレオメっていうピンクの花が 秘密のひととき。


エーデルワイスが大切な思い出。


花屋の店員さんが教えてくれた時に

俺って重いなって笑ってしまった。


こんなに必死に好きになれたのがAでよかった。

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