許嫁を迎えに行きます【3】 (ページ29)

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おまけページ29

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『好き』

「おれも」

　
周りでは歓声と拍手、口笛が鳴り響いていた。

Aしか見ていなくて気づかなかったけど

本当に注目を浴びてしまっている…

恥ずかしっ…

『逃げちゃお！』

手を繋いで来ていた道を下に降りる。
　

「A、危ない」

細い道をどんどん走るから
いつかこけちゃうよ

だいぶ下まで降りてきたし大丈夫だろ

　
　
『ここまできたらもう大丈夫』

「うん」

勢いであんな感じになったけど

冷静に考えるとちょっと気まずい

『どっか店入る?』

『迷わずこれた？』

『あ、ホテル！決まってる?』

「そーんないっきに聞かないで」

「とりあえず飛行機乗って直行だったから」

『ホテルに荷物下ろしにいく？』

「俺のホテルあるの?」

『当たり前じゃん2人部屋だもん』

聞きたいことはたくさんある。

でもとりあえず荷物を置いてゆっくりしよう

『仕事あまり休めなかった？泊まる時間ある？』

「明日の夕方にはここでないと」

『わかった、飛行機予約しなきゃだ』

ホテルに着いてバタバタ帰りの準備

異空間だったあの場所から

ちょっと現実に戻される。

『ご飯どーする？ここでもいいし外行ってもいいし』

どちらかと言えばゆっくり話したい。

外もいいけど…

『ホテルにしとこうか』

「あーうん。色々話したいし」

てか、ホテル豪華すぎでしょ

数週間泊まってたって…

次々にご飯が運び込まれてきて

2人で1ヶ月ぶりに一緒にご飯を食べる。

「あなたさ『ねぇ、』」

話をしたくて声を出すけどAによって遮られた。

『話するのは前向きなことだけにしよう』

『ごめんとかそういうことなしね』

「うーん、わかった」

それからいろんな話をした。

どさくさに紛れてちょっと気になってることもきいたけど

Aは前向きな答えばかりだった。

『ねぇ、わたしたちってさ、どんな関係なのかな』

「どんな関係ってなに？」

『許嫁って言葉がしっかりしてたじゃん。いままで』

「そーねー」

『つきあってるのかな？私たち』

「そーね」

『北斗くんが彼氏で私は彼女？』

「でも、カップルってより婚約者じゃない？」

『そっか婚約者か〜』

そういうとちょっと寂しそうな顔をする。

恋に恋していた彼女はカップルから始めたいのかな

「でもまずはカップルだねお互い知らないことばかりだから」

『うん。そうしよう』

そう言って笑う君の笑顔は

あの日はじめて君を迎えに行った

あの時みたいに俺の心を掻っ攫って行った。

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