許嫁を迎えに行きます【2】 (ページ30)

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医者のこととか勉強のこととか

俺はなんて言えばいいのかわからないから

すぐ話題を変えたのに

また戻ってきて医者になる話

話を聞いてあげることしかできなくて

いい言葉をかけてあげられなくて

申し訳ない気持ちと

会話の話題がその話になると

俺とAを繋ぎ止めているのはやっぱり

それなんだって思い知らされて

これだけ思い合ってるって感じても

最終的にここに戻ってきて

もうなんのしがらみもなく

ただ自分のものにしたいだけ。

涙を流しながら眠りについたA

ギュッと握られた手から自分の手を引き抜きいて

そっと頭を撫でた。

全然気晴らししてあげられなかった。

今回は家出失敗かな…

そう思いながら俺も寝ようときた時

Aの携帯が鳴った。

こんな時間に誰？
　

誰だか気になるけど着信画面を見るのは

違うよなってしばらく葛藤が続く。

しばらくすると電話が来れて

モヤモヤしながら目を瞑ると再び鳴り出す。
　

あーどうしようって思っていると

Aが起きた。

ディスプレイを見てあからさまに気まずい

顔をしたAにどうした？って問いかけると

あっち行ってくるって

あからさまにおかしいから、つい誰？って聞いちゃって

そんな話をしているとまた切れた着信と

再び鳴り響く着信音

ちょっとこの人もしつこくない？

　

「でていいよ」

『ごめん。』って言いながら電話に出たけど

聞き慣れた声がする。

Aから無理やり携帯を取って

耳元にあてる。

「こんな時間にAに電話するのやめろよ」

北爺「北斗も一緒だったのか」

「休ませてあげてよ。電話は昼間だけにして」

『いいよ。大丈夫だよ』

「Aのことも考えて」

電話口でなんか言ってたけどガチャギリして

携帯をサイドテーブルに置く。

「いつもこんな時間に電話きてた？」

『大丈夫だよ』

「いつ寝てるの？ほんと、ごめん」

『じゃーまた寝るまで手握ってて』

「ハグもあるけどどーする？」

『ハグ』

腕を広げるとモゾモゾ布団をかき分けて

Aの定位置におさまった。

「おやすみ」

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