許嫁を迎えに行きます【2】 (ページ26)

今日:4 hit、昨日:54 hit、合計:163,878 hit

69 ページ26

・

「ある程度はね」

『ある程度ってどれくらい？』

「どれくらいってそうだな〜」

『キスも平気？』

「え？」

『あ゛…』

ずっと俺の顔を見上げてきてたのに

ぎゅっと顔を晒して俺の胸の中に顔を埋める。

え？なに？そういうことなの？

「なんかみた？」

『…みてない』

絶対見てんじゃん。

「みたならみたっていえばいいじゃん」

『んーん゛ーー』

相変わらず、なかなか言わない言い出さない

彼女の背中をポンポンしながら頭を撫でる。

『北斗くん』

「んー？」

『キスしてるの見て嫌な気持ちになった』

「ん。ごめん」

『謝んないでよ』

「うん」

『相手の人キスしたら好きになる？』

「ならないよ」

『でも北斗君が好きって言ってくれたのキスしたあと』

女の子って細かいところおぼえんなー

って少し感心しちゃう。

でも、言葉にしたのが先か

行動に移したのが先か

それだけでキスさる前から好きだったよ。

ってどうやって伝えれば伝わるんだろうね。

「キスする前からずっと好きだったよ」

『うーん』

「きづかなかったの？」

『誤魔化してる』

「違うわ」

話ながら涙する彼女だけど

ふふって胸元から聞こえる

彼女の柔らかくてふわふわしている声が聞こえた。

「何笑ってんの」

『笑ってない』

「うそつけよ〜」

『好きだった？』

「今も好きだけどね」

えへへってぎゅっと服を握りしめる力が

強くなった。

伝わった？

「Aさんは？」

『ん？』

「好き？」

『すきくない』

「こんなにヤキモチ妬いてるのに？」

『関係ないもん』

どうやらヤキモチ妬いてることには

否定しないらしい。

思わず俺もニヤついてしまって

そっとAの頭に自分の顔を埋める

フワッと香るAの匂いに

ドキッとした。

・