許嫁を迎えに行きます【2】 (ページ24)

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『嫉妬って怖いね』

「嫉妬したの？」

『されたの。それで喧嘩になった』

嫉妬されたってなに？

Aと男の間でなんかあったわけ？

まじで無理なんだけど。

『喧嘩しちゃった友達の彼氏の…』

友達の彼氏と何したの？

そんな話、耳を塞ぎたくなる。

思わずぎゅっと目をつぶって

耳も目も5感から何も情報が入らないように

身体中に力が入るけど

全ての情報を遮断するのは無理なはなし

そっと柔らかくて温かい感触が

俺の頬を包む。

『どうした？』

「なんでもない」

『本当に？』

「大丈夫」

『そう…』

そっと離れていったAの温かい手がなくなった頬は

さっきとは打って変わって

やけに冷たく寒く感じた。

『でね、彼がそれをSNSにアップしたみたいで
　正直そんなに怒るって思っちゃって…』

途中全然聞けてなかったから正直内容

よくわからないけど、そりゃ怒るだろ…

彼氏が女の子単品アップしてたら謎すぎるでしょ…

「Aはいやじゃなかったの？」

『事前に言われてたし別にいいかなって』

「俺はAの気持ちわからないし、
　友達の彼氏なら友達のこと考えて断りなよ」

『彼氏とは知らなかったんだよ？
　仕事なのにって思ってたけど、
　やっぱ私が悪かったのかも』

「仕事？」

『話聞いてた？』

「ごめん」

『だから…』

どうやら街でカットモデルしないか誘われて

のこのこついて行ってカット？カラー？モデルして

写真撮影に海行って？それSNSに載せて

その美容師がたまたま友達の彼氏で？

そんなうまいはなしあるんですね。

Aちゃん俺も怒っていいかな？

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