許嫁を迎えに行きます【2】

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side 高地






大我「Aちゃんも弾く？」


『え？あ、大丈夫です』


大我「なーんだ、すごい見てたから弾きたいのかと思った」


『弾いたら戻れなくなるから』


樹「なにそれ」






大我が急にそんなこと言い始めるから

ちょっとびっくりしたけど、

戻れなくなるという彼女の意味深な発言の方が気になった。






『医者になるまで禁止中なんです』

大我「なにそれ。意味わかんない」

『もう自分で決めたんです。』

高地「やってたの？ピアノ」

樹「将来の夢はピアニスト…」

『…』

樹「名前検索したらすぐ出てくるね」

『北斗くん気づいてないから言わない下さい』







樹の携帯をのぞけばピアノに関する大会とかで

たくさんサイトが引っかかる彼女の名前

インタビューまだされてて、

律儀に"夢はピアニスト。留学も視野に入れて…"って







樹「ごめんな」

高地「申し訳ない」

『みんなに謝られる意味がわからない』

大我「それでも、ありがとう」

樹「なんかあったら力になるから」

高地「なんでもいって」







自分で決めたんですって

何度も言ってくれるけど

それでも、北斗がこうやって活動できていたのは

そして、これからできるのは君のおかげだから。







『ゲームしよう〜！慎太郎くん入れて〜！』





もうこれ以上何も言わないでって

言わんばかりに苦しそうにクシャッと

作り笑いを見せて慎太郎たちの方へ小走りで行った。









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