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ガラスの大きな窓に東京のネオンの光
遠くを見るように窓の奥を見る彼女に
問いかければ、びっくりしたように振り向いた。
ゆっくりAに近づく
ただ、じっと見つめて何も言わない。
それは嫌じゃないってことでいいの？
首に手を回せば
ぶるっと身震いを起こしたけど
何も言わない。
あまりにも固まってるから
「キスする時って目を瞑るもんじゃない？」
ってちょっと場を和ませようと思ったけど
全然びくともしない。
恋をしたいという彼女が
大学生になって恋を知り
いろんなことを経験するかもしれない。
でもその始まりも終わりも本当なら僕がいい。
俺であれ。
自分の手で
彼女の目を覆うように目隠しして
そっと唇を重ねた。
ぷっくりしたAの唇は
柔らかくて温かくて少し震えてた。
ゆっくりと
彼女の目を遮る自分の手をそっと離す。
それでも彼女はただじっと俺を見ていた。
「座ろ」
大理石調の床にペタッと足をつけた座った。
いくら3月といえど夜はまだ肌寒い。
ソファーの上に置いてあるブランケットをとって
Aの肩にかけた。
飲み物をとって彼女に渡して
グラスを合わせる。
あと1ヶ月もすれば大学生。
後一年もすれば成人になる。
子供でもない大人でもない
この時間は残り少ない。
「A、好きだよ」
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作者名：唯音
| 作成日時：2022年12月16日 17時
