許嫁を迎えに行きます (ページ35)

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はじめて泊まるこんな綺麗なスイートルーム

私たちはいつもこの街並みのひとつで

この中から1人いなくなっても気付きやしない。

そんな景色を第3者目線で眺めながら

自分の力でここにいるわけじゃないのに。

ちょっとだけ大人になった気分になる。

『こんな綺麗な夜景をみながら大好きな人と
　キスとかロマンチックなことしてみたい』

恋愛なんてしたことない。

そりゃ小さい頃の〇〇君すき！

程度はあるけどさ

目があってテンション上がったり

メッセージの返信が来なくて悩んだり

ちょっと話せて喜んだり

　
　
学校の帰りに寄り道して家まで送ってもらったり

愛すこともなければ愛されることもない。

いてもいなくてもわからない。

そんな存在でいい

何万人の中の1人でいいから、、、

ただひたすらにひとりの人に愛されたかった。

窓に手を当てて外を眺めながら

大人気分の第三者より

周りなんて気にしない恋ができる街の1人になりたくて

無性にこの部屋から出たくなった。

「する？キス」

　

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