七日前 気持ち ページ7
「コナンくん。君はここに残って欲しい」
二人について部屋から出て行こうとしていた時に呼ばれた本人は、不思議そうに降谷を見上げる。
「調査をしている間に、高田さんに確認したいことが出てくるかもしれない。だから、」
「...だから、僕はここでその連絡を待てって事だね!」
目を合わせてニヤリと笑う二人。お互いに何か通じるところがあったようだ。
そして毛利さんが部屋から出て、自分も出かけた時に一言。
「...もう大丈夫ですから」
待っていてください。
背を向けたまま。そのままドアが閉まっていった。
またさっきのように、こみ上げてくる何かを感じた。
本人がいない今回は我慢できそうにない。コナンくんが見てるのに。
我慢しようと思っても、意思に反して涙が零れた。
「...ああ、もう何なんだ。結局私を泣かせやがって、」
「お姉さん大丈夫...?」
心配そうに覗き込んでくるコナンくん。また服の袖で何とか拭う。
「待ってて、って言って欲しかったんだよ。私は」
いなくなったあの時からずっと。別に待つ待たない、でなくてもいいから。必ず帰ってくるという意思表示が欲しかった。また私の元に来てくれると。
「それなのに!」
今まで下を向いてブツブツ言っていた私。勢いよく顔を上げると驚く顔が視界に入った。
「会えないって何!?改めて思ったけど冷たすぎやしない!?」
「おっ思ったより元気そうでよかったよ...」
私の剣幕に更に驚かせてしまったようだ。
「あっコナンくん本当にごめん!こんな話を聞かせてしまって」
今までを振り返ってみるとかなり恥ずかしい。
相手は小学生。こんな三十路まっしぐらの女の、変な話聞かされて困惑してるだろう。引いてるだろう。お願いだから嫌わないで。
ブツブツ話してたときの言葉が呪文とかに聞こえてないだろうか。別に呪ってないから。
「大丈夫だよ!おかげで分かちゃったことあるから!」
ふふふ、と何やらニヤニヤと笑う。
何だ、私が呪いを使えるって事がか。
「えー!?でも今の話ってわかっても、ふるっやらない...透くんのことくらいじゃん」
あっぶな。いやもうガッツリ苗字を言ってしまったけども。はい、ふるやるという新しい動詞が誕生しましたね。
「お姉さんが安室さんのこと大好きだってこと!」
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かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» いつも本当にありがとうございます!これからはまた前のようなペースでやっていきたいと思います、よろしくお願いします! (2016年6月30日 0時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - お久しぶりですね。他の方たちもぱったりと更新されなくて寂しかったんですよ。有難う御座いますと此れからも宜しくお願いします。 (2016年6月28日 23時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» 安室さんがこんな感じだったらいいなあという私得な展開でした...!そう言っていただけてよかったです! (2016年6月12日 23時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 安室さんカワ(・∀・)イイ!! (2016年6月12日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - 106さん» コメントありがとうございます!そんなことを言っていただきうれしいです!がんばります! (2016年6月12日 0時) (レス) id: ab8133160c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこ板 | 作成日時:2016年5月21日 23時