最後の審判【名探偵コナン】

二日後　目を見て ページ43

「…そういえば、はい。お礼の品」

「ああ、ありがとうございます。毛利さんの所には行かれたんですか？」

断られる可能性も考えていたが、意外と素直に受け取ってくれた。
受け取らなかったら私が食べるつもりだった。中身は菓子折。

「行ってないです、明日行くことになってます」

降谷と話していると、たまにつられて敬語になることがある。
…何でこの人は私に敬語何だろう、とずっと疑問に思っている。昔から何度も聞いているが、ちゃんとした理由を教えてくれない。

まあ、それはおいといて。

「今日はいろいろ言いたいことがあります」

はい、と短く答えた降谷。その目は私が言わんとすることを見抜いてるようにも見えた。
　

私が座ってるソファーの真ん前にもソファーがあるけれど、降谷は座ろうとしない。それなら…ということで、私が立つことにする。

「…君はまた私に関わらないつもりですね？」

話しながら降谷の目の前に立つ。

「…巻き込むわけには、いかないんです」

苦々しげに吐くように呟いた。降谷の様子から事の重大さはよくわかった。
だけど、

「巻き込まれたって、いいのに」

「…よくないです。死ぬかも知れないんですよ」

私から目を逸らし顔はあまり見えないが、その声に静かな怒気を感じた。
でも私だって怒りたい。

「そんな死ぬかも知れない仕事を私は君にして欲しくないわけです。…わがままかもしれないけどさ」

「…今日は何で敬語なんですか」

何だか適当にはぐらかされたし、目を合わせてくれないし…気にくわない。

「もう、目を見て聞いて！」

この人を捕まえておかなければならない、そんな思いから降谷のネクタイを掴む。
はっと突然のことに目を見開きわかりやすく驚いた。
　

「好き。大好き。とても好き。離したくない」

そこまで言ったところで、私が目を合わせることに耐えられなくなり、ネクタイを掴んだまま思わず下を向いた。

「待たせてよ……断られたって、他に待ってる人がいたって勝手に待つから」

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