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一日後 これからを作る ページ38

「そういえば今日、森川は?」

「セットみたいな言い方やめてくださいよ。あの子はデートです...あ」

このことは言わないでおこうと思ってたのに。今のはわざとではない、本当に口が滑った。

「生死の境をさまよった上司よりもデート!?」

案の定、さっきまでの温和な表情から一変、また不満そうな顔。

「世間は先輩が思ってるよりも甘くないんです。落ち着いてください」

「慰めになってない!」

お見舞いに一緒に行かないかとメールしたところ、彼女も一回迷ったらしく一応また悩んではいた。最後に“生存確認はできたんだからいっか☆”という私が見てもなかなかショッキングな内容のメールが送られてきた事は、先輩には絶対言わない。人には言うくせに彼は結構傷つきやすいのだ。傷は残らないみたいだけれど。
麻衣は麻衣で同じ大学出身と言っても、先輩とは会社に入ってからの付き合いなのに、私以上にずけずけ言う。それでも二人は仲がいいから、まあいっかと言ったところだ。
 

「...ところで高田、お前は会社を辞めるのかな?」

「あら、そういう先輩こそどうなんです?」

こういうことがあった後だ。こんな話をすることになるのも当然の流れかもしれない。というかこれを待っていた。

「俺は...あんなことになって正直続けていいか分からない」

長い付き合いだけれど、先輩がこんなに不安そうにしているのは見たことない。それほど今回の事件が堪えているのだろう。そりゃそうだ。私だって先輩と話して、先輩が生きてるって感じてもうさっきから泣きそうだ。

「...そういう風に悩むのは訳がわからないです」

どんな風に言うべきかわからない。しかし、上司に、先輩に言いたい事は言わなければならない。

「強要するつもりはないですが。でも今あの会社を立て直せる人が、先輩の他に誰がいます?それに私は先輩について行くつもりでしたが?」

「...大学の時からお前はずっと俺の後ろについて歩いてたね」

「ちょっと、この雰囲気でいきなり嘘入れてくるのやめてもらえません!?私は親戚のちびっ子か何かか!」

おおっと、真面目な雰囲気につっこみを入れてしまった私も反省しなければ。

「ははっ、流石だね高田。おかげで目が覚めたよ。いつの間にそんなに成長したのかな?」

「だからあなたに私はいくつに見えてんですか!」

ああもう、すぐ冗談に持っていくんだから。

一日後 お見舞いの品→←一日後 上司かつ



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かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» いつも本当にありがとうございます!これからはまた前のようなペースでやっていきたいと思います、よろしくお願いします! (2016年6月30日 0時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - お久しぶりですね。他の方たちもぱったりと更新されなくて寂しかったんですよ。有難う御座いますと此れからも宜しくお願いします。 (2016年6月28日 23時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» 安室さんがこんな感じだったらいいなあという私得な展開でした...!そう言っていただけてよかったです! (2016年6月12日 23時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 安室さんカワ(・∀・)イイ!! (2016年6月12日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - 106さん» コメントありがとうございます!そんなことを言っていただきうれしいです!がんばります! (2016年6月12日 0時) (レス) id: ab8133160c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かまぼこ板 | 作成日時:2016年5月21日 23時

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