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一日後 上司かつ ページ37

受付の看護師さんに先輩の病室を訪ね、ただ今病室前。

麻衣に用事があると断られてくじけそうになったが、無事私の足は実家の玄関を抜け、病院に辿り着いた。
あと一週間くらいは実家暮らししたいなあ。朝ご飯が出てくるのは素晴らしいなあ。

先輩の怪我の状態をを案ずる訳でもなく、全く関係のないことを考えつつ扉を叩いた。

「はい」

起きててよかった。先輩には言うことがあるのだ。

元々静かに開く引き戸を更にそっと開いた。
 

「...お、久しぶり」

にこり、と整った顔を崩して笑った。

「...こんにちは」

こういう時はまず何を言うべきだろう。やはり、怪我の状態から...?
話の糸口をつかめないままボーっとしていると、先輩のほうから切り出してくれた。
 

「...大変だったんだろう?」

「そうですよ!先輩が事件の一週間後くらいにでも目覚めてくれていれば...!」

無茶な話かもしれないけれど、実際そうなのだ。この人がもっと早く目覚めていたら、ここまで長引く事はなかっただろう。

抗議しながら、ベッドの脇に置いてあった椅子に腰掛ける。

「ははっ!まさか高田、お前が犯人にされてるなんてね」

予想外だよ、とおかしくてたまらないという感じで笑う先輩。天罰が下ればいいのにな。

「昨日ここに警察が来た時に、全然関係ない高田の名前が出てきて...もう危うく笑うとこだったよ」

...この人は大学時代からそうだった。笑いのツボが驚くほど浅い。彼の辞書には“デリカシー”という言葉がないのだろうか。本当にないのなら、私が頭を開いて直接書いてやろうか。

「いっ!笑いすぎて腹が...」

「そういえば傷はお腹でしたね。ざま...いや、大丈夫ですか?」

「今ざまあって言いかけたな!?」

早速天罰が下ったことに満足している私とは反対に、なかなか不満そうな顔でこちらを見る先輩。

「先輩を敬って...!あともっと優しくさあ...!」

「...?仕事中ではないのに敬う必要が...?」

「辛辣!笑ったことは謝るから!」

このように冷たくすればすぐ謝ろうとしてくれるから、まあいっかとなるのがいつものパターンだ。私がまだそのことを知らない頃___大学の時なんかは言い返してはまた笑われ、ということを繰り返していた。
私が入学した時、先輩は三年生だった。サークルに入ったらいた。更に言ってみると、会社入ったらいた。話すようになった経緯なんて全く覚えてない。覚えてないことは多いけれど、ただ、変わらず優しいということは知っている。

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かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» いつも本当にありがとうございます!これからはまた前のようなペースでやっていきたいと思います、よろしくお願いします! (2016年6月30日 0時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - お久しぶりですね。他の方たちもぱったりと更新されなくて寂しかったんですよ。有難う御座いますと此れからも宜しくお願いします。 (2016年6月28日 23時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» 安室さんがこんな感じだったらいいなあという私得な展開でした...!そう言っていただけてよかったです! (2016年6月12日 23時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 安室さんカワ(・∀・)イイ!! (2016年6月12日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - 106さん» コメントありがとうございます!そんなことを言っていただきうれしいです!がんばります! (2016年6月12日 0時) (レス) id: ab8133160c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かまぼこ板 | 作成日時:2016年5月21日 23時

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