二日前 事実は ページ30
「その反応は証言が嘘であったと認める、ということでよろしいですか？」
座り込んでどこか遠くを見つめたまま、しかしはっきりと頷いた。
「それは、自分自身の行いを隠すためですか？それとも誰かを庇うため…」
「久保山さん…犯人は久保山さんです…」
思いの外すんなり話してくれた。
今の発言に嘘はないようだし、嘘の証言をしたことをとても後悔しているようだ。
「どんな経緯でこのようなことになった教えていただけますか？」
「事件の当日の昼休み、私は久保山さんに呼び出されていました」
久保山さんとは、高田さんの元上司。
なかなか厳しい人だったらしいが…
「でも実は私、前に久保山さんにフラれていて…その時もまだ好きだったんです」
気まずくとも上司の呼び出し。勇気を出して向かったという。
久保山さんの話を高田さんに聞いたとき、彼は外面がいいとも言っていた。褒めるべきところでは褒め、叱るべきところでは叱る、他の人にとってはよい上司だっただろうと。
「そこで、その日の作戦を聞かされたんです」
震える声で、話を続ける。
「そして、最後に。聞いてしまったお前ももう共犯だ、捕まるぞ。言うことを聞いたら付き合ってやろうって」
「そこで、嘘の証言をするように言われたということですね」
「はい…もうその時は付き合うなんてどうでもよくなっていました。言うことを聞かなかったら自分も殺されるんじゃないかって…」
悔しそうに顔を伏せる。
「すみません…！！私は自分のために高田さんを…」
「それは本人に言ってください。きっと彼女は許しますよ」
勝手にこんなこと言ったら何か言われるかも知れないが、高田さんのことだ。簡単に事実を受け止めてしまうだろう。
「では、一緒に警察に行っていただけますね？」
さっきとはまた違ったすっきりとした顔でそれに応じた。
これで一旦落ち着ける。
武上さんが事実を話し、ポケットの中のボイスレコーダーのデータを提出すれば後はもう警察が何とかしてくれるだろう。
「ところで、久保山さんはまだ出張から帰って来られていないのですか？」
「ああ、予定では明日だと思います」
明日、か。警察に任せるのもいいがどうするか。
「すみません、私からもいいですか？」
「はい？」
「…あなたが今までいらっしゃった警察の方の誰よりも、必死でいらしたのには何か理由でも？」
ニヤリと効果音がつきそうな顔で尋ねられた。
「…いいえ、依頼ですので。探偵として」
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かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» いつも本当にありがとうございます！これからはまた前のようなペースでやっていきたいと思います、よろしくお願いします！ (2016年6月30日 0時) (
レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - お久しぶりですね。他の方たちもぱったりと更新されなくて寂しかったんですよ。有難う御座いますと此れからも宜しくお願いします。 (2016年6月28日 23時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» 安室さんがこんな感じだったらいいなあという私得な展開でした...！そう言っていただけてよかったです！ (2016年6月12日 23時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 安室さんｶﾜ(・∀・)ｲｲ!! (2016年6月12日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - １０６さん» コメントありがとうございます！そんなことを言っていただきうれしいです！がんばります！ (2016年6月12日 0時) (レス) id: ab8133160c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かまぼこ板 | 作成日時：2016年5月21日 23時
