最後の審判【名探偵コナン】

三日前　時計 ページ26

「武上さん本人に確認したいことがあったのですが、休みと聞いて...」

ここに来た、ということらしい。

確認したいこととは勿論、目撃証言のことだろう。私だったと判断した理由、それがわからないならば確かに納得できないのだ。

休みだと降谷に教えたのはきっと麻衣。
　

「で、先にその時の服装や身に付けていたものなどを聞いておこうと思いまして」

「ああ、なるほど...何から答えたらいい？」

この質問は警察から散々聞かれていたから、気持ち悪いくらいすらすら言える自信がある。
　

「じゃあまず、服装は？」

「スーツのまま薬を探して、無かったからそのままドラックストアに行ったよ」

「監視カメラを確認した毛利さんの話と一致しますね...」
　

一致しなかったら恐怖以外の何者でもない。

...もし、判断材料が服装だったとしたら。スーツを着ていたから私、というのはあまりにも論が乱暴。事件が起きたのは会社。スーツを着ている人がほとんどだ。
私が特殊なスーツを着ていたわけでもあるまいし。


「アクセサリーなど、何かつけていましたか？」

「つけてなかったです」
　

そうでしょうね、とメモを取りながら呟く。

基本私は何もつけない。肩が凝るから。
前に、イヤリングも駄目だって言ったら降谷から大袈裟に驚かれた。“イヤリングって肩凝るんですか！？”って。いや、そういう人もいるかもしれないけれど。
私の場合、ただ気になるから。耳に何かついていると思うとイライラしてくる、それだけだった。

時計だって以前は腕に巻くのが気になっていた。

　
「降谷。私、時計はつけてたよ」
　

メモ帳とにらめっこしていた降谷が顔を上げた。不思議そうに頭を傾けていた。

それはそうだろう。腕時計を腕に巻きたくない私は、腕時計を服のポケットに入れていた。
そんな私が時計を身につけていたと言うのだから、理由が理解できないのだろう。

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