六日前 動機 ページ18
「その時の受付はどなただったかはわかりますか？」
「確かね...武上さんだったかな。あの時間は受付は一人だったはず」
「わかりました。話を聞くことにします」
はあ...今更だけど目撃証言か。
そこにいるはずがない私の存在が確認されている。
そして、家から出てきた凶器。
...ここまできたら本当に私が犯人だと疑いたくなるが。にしても出来過ぎていて。
「私がもし犯人だったらここまで迂闊な行動はしないな」
そうでしょうね、ってどういう意味だよ。最初に自分が言ったのだけれど。
「...というか、一日二日でここまで話が動いたのに、あなたの弁護士は何をしているのですか」
「ああ、もう諦めてるんじゃない？私が犯人と思ってるよ...」
私に、出来るわけがないのに。亡くなったのは全て私の恩人。
私を犯人に仕立て上げた人物の計画の甘い部分といえば、私に動機がないところだった。が、作られたようだ。
「誰が言ったか知らないけど、私は三人を恨んでたらしいよ。横暴な上司たちにうんざりしてたとかなんとか」
すごくいい人達なのに。大事な人達なのに。
降谷たちが来た昨日から、こういうことを考えるのはやめようと思ってたのに。考え始めたら止まらない。
理不尽な仕打ちに悲しみがこみ上げてくる。
「...社長さんのことは特に、父親みたいに慕っていたじゃないですか。そんな証言、真に受けたら絶対に駄目です」
視線を上げると、どうしようもなく泣きそうな納得がいかなそうな、そんな顔をした降谷。
「降谷、何で君がそんな顔するの。ずっと私を元気付けようとしてくれてたことわかってるよ」
そして私は降谷のそんなところが大好きだよ。
ぼそりと呟いた声は相手にちゃんと届いたようで。
少し驚きを見せて、すぐにまた悲しげな顔に戻った。
「でも僕は、元気付ける必要があるときのあなたは嫌いです」
口元に小さく笑みを浮かべて語りかけるように言う。
「そっか、ありがとう...」
「僕は嫌いって言ったんですよ...？」
呆れた声に、わかってないなあと反論したい気分だが、今は口を開くと涙が出てきそうだ。
いや、口を開かなくとも涙は零れてしまった。ああ、もう。
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かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» いつも本当にありがとうございます！これからはまた前のようなペースでやっていきたいと思います、よろしくお願いします！ (2016年6月30日 0時) (
レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - お久しぶりですね。他の方たちもぱったりと更新されなくて寂しかったんですよ。有難う御座いますと此れからも宜しくお願いします。 (2016年6月28日 23時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» 安室さんがこんな感じだったらいいなあという私得な展開でした...！そう言っていただけてよかったです！ (2016年6月12日 23時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 安室さんｶﾜ(・∀・)ｲｲ!! (2016年6月12日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - １０６さん» コメントありがとうございます！そんなことを言っていただきうれしいです！がんばります！ (2016年6月12日 0時) (レス) id: ab8133160c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かまぼこ板 | 作成日時：2016年5月21日 23時
