七日前 高田という人物は ページ13
一体高田さんは僕のことをどう話したのか...?
...どうせ、うるさい奴だとか悪口を並べていたんだろう。
褒めている可能性は無いに等しいと思う。
しかし気になるな...いや、今はそんなことを気にしている場合ではないのだ。
「へええ、あなたが噂の降谷さんかあ」
噂の...!?いやだからどんな噂ですか。
「...高田さんは僕のことどんな風に言ってたんですか?」
「それは...秘密です!」
ふふふ、といたずらっぽく笑う。
悪い風に言っていたのは間違いない気がしてきた。
「あなたとは気が合わないとよく言ってましたよ」
悪い風に言うつもりは無かったのだが、今の流れからすると秘密と言われて不機嫌になったみたいじゃないか。
「ああ、そうでしょうね」
おかしそうにくすくすと笑う。
「あの子は待ち合わせの10分前に到着するような人だけど、私はしょっちゅう10分は遅れます。でもこう見えて私は几帳面でね」
楽しそうに、楽しそうに話す。気が合わないというのは冗談と分かっていたが。
「家の掃除とか好きなんです。でもAの机の周りの汚さと言ったら...!」
我慢できなかったように声を立てて笑い始めた。
ああ、確かにそうだ。昔からだった。高校の時の引き出しの中には、教科書が大量。それも使わないものまで入っていた。紙辞書(国語辞典)が二種類出てきた時には、逆にマメじゃないだろうかと疑った。いや、マメというのは事実だろう。
「でも仕事がすっごく出来るんです。あんなに資料だらけの机から、目当てのもの引っ張り出してくるんです」
“こっちの辞書は例文がたくさん書いてあって、こっちは図とかも描いてあってわかりやすいよ”
国語辞典を借りようとしたら、二冊手に持ってそう言った。
本人が真面目に言っている事はよくわかっていたけれど、つい吹き出してしまったのは仕方無かったと思う。
もちろんその後すぐに抗議された。
「あっ、Aがこんなときに笑っちゃって不謹慎だとか思ってますか?」
「いえ、元気だなとは思いますが...」
空元気にも見えるが、この状況を楽しんでいるようにも見える。
「私がくよくよしてたってしょうがないから、Aの分まで頑張ることにしたんです。だって、あの子があんなことする訳がない」
あんなこと、そう言ったときに少し目を伏せた。
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かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» いつも本当にありがとうございます!これからはまた前のようなペースでやっていきたいと思います、よろしくお願いします! (2016年6月30日 0時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - お久しぶりですね。他の方たちもぱったりと更新されなくて寂しかったんですよ。有難う御座いますと此れからも宜しくお願いします。 (2016年6月28日 23時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - かなとさん» 安室さんがこんな感じだったらいいなあという私得な展開でした...!そう言っていただけてよかったです! (2016年6月12日 23時) (レス) id: 8b9d5f2ddb (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 安室さんカワ(・∀・)イイ!! (2016年6月12日 0時) (レス) id: 5c59d46582 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼこ板(プロフ) - 106さん» コメントありがとうございます!そんなことを言っていただきうれしいです!がんばります! (2016年6月12日 0時) (レス) id: ab8133160c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこ板 | 作成日時:2016年5月21日 23時