うぱるぱ！(赤×緑)

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そう言ってシゲと綿菓子屋さんに並んだ。
ちょこっとだけシゲの方が背が高いだけやけど、俺と違って少し筋肉質みたいで、なんか男らしく感じる。


…スポーツとか、やってんかな…？
部活はやってないみたいやったけど…
その割には体つきガッチリしてるよなぁ…。


なんて、色々考えてる間に、目の前に綿菓子の袋が。


緑「んわ」

赤「んはは、今日なんか神ちゃんボーっとしてんな。やっぱ疲れてんのとちゃう？」


シゲは笑いながら俺に綿菓子を手渡してくれた。


緑「ありがと…」



どっか座って食べよか？とシゲが提案してくれて、あたりを見渡していた、その時。




「え、シゲ？」



急に後ろから、女の子の声がした。


うちのではない、高校の制服の子が二人。
シゲの知り合いやろか。


赤「あ、おう」

「えー！めっちゃ久しぶりやん！元気？」

赤「おん、ぼちぼち…」


はてなマークが止まらへん俺を見て、あ、中学ん同級生。とシゲが教えてくれた。
そっか、シゲチャリ通やし、地元もまぁまぁ近いんかな。


「高校どう？部活とかやってんの？
…あ、でも陸上はもう辞めてんな？」



…陸上…？



そう聞かれると、シゲは歯切れが悪い感じで、おん、とだけ答えた。


「そやんなー、今は帰宅部？
あ、てか彼女できた？」


…質問攻めやん、この子たち！
一応俺もいるんやけど…！


赤「んなもん、できひんよ」

「そうなん？中学はモテてたんに意外やわー。
…てか、そっちも二人？
うちらも二人やし、よかったら一緒に回らん？」

「えー！それええなー！」


勝手に盛り上がっている女の子たちを見て、どうしていいか分からへんし。

…なんか、俺が知っているシゲの一面なんて、ごく一部で。
その子たちと話しているシゲを見て、酷く距離を感じた。


…せやんな。
今日誘ってくれたのだって、俺があんなこと言うたから、気いつかってくれてるだけ。
…ほんまは、シゲやって女の子たちと回りたいハズやんな。


だんだん、そこにいるのがしんどくなってきた。


緑「…あ、俺、用事思い出した…」

赤「…え」

緑「シ、シゲ、ごめんな。
よかったら、今日は三人で回って……ごめん」


そう言い捨てて、俺は走り出した。


なんか分からんけど、泣きそうで。
どこに向かうかなんて決めてへんけど、いてもたってもいられんかった。


赤「か、神ちゃん！！」



そう言ったシゲの声が、後ろの方で微かに聞こえた気がした。

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