＊6____H&L ページ19
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楓士雄「コンクール？」
買い物の帰り道。
スーパーの袋を持ってとぼとぼと歩く。
暗い街は街灯が灯っていても私の目には色がついて映らない。あの日から虚無なまま毎日を過ごしてた。
河川敷から聞き覚えのある元気すぎる声が聞こえた。
もしかして。と河川敷に顔を向けて目に映るのは
優しく女の子を見る楓士雄の横顔だった。
そっか、私なんて居なくて平気なんだよな。
そう思った瞬間だった。
虚無感で何も無くなっているはずなのにはぁ、と自然にため息が出てくる。
楓士雄「だったら応援するしかねぇな、どか。頑張れよ」
美龍妃「…どか…？…まどか、ちゃん？」
楓士雄の視線の先にある、茶色の制服を着たぽっちゃりした女の子。
哀しくてその場を去ろうとしてたとき、楓士雄の口から聞こえたその名前は、あの幼馴染の1人、まどかちゃんだった。
楓士雄とともに幼い頃の私を受け入れて救ってくれて、同い年なはずなのにお姉ちゃんみたくに可愛がってくれて守ってくれた7人の幼馴染の中の唯一の女友達。
楓士雄「頑張れよ、」
マドカ「ありがとう。
…あんたは？楓士雄はなんか無いの？」
楓士雄「俺？んー…俺は…」
マドカ「世界一のサラリーマン、だもんね。笑」
なかなかその場を離れられなかった。
二人を見て、昔が懐かしくなった。
河川敷の上にあるガードレールに少し腰をかけて、2人の話を聞いてた。
世界一のサラリーマン。クラリネット奏者。
きっとタイムカプセルの話。
あの日行けなかったけど
どんなことを書いていたかは、ぼんやりだけど覚えてる。
楓士雄「俺は、俺はいいんだよ。笑
けどよ、美龍妃の夢。叶えてやりたくて。」
マドカ「ぞっこんだねー、ほんと。
なんて書いてたの？美龍妃」
楓士雄「あいつ、『お母さんとお父さんと笑顔でずっと幸せな家族でいれますように。
学校の先生になれますように。』って書いてたんだよ。昔から家庭環境が複雑だったじゃん、あいつ。だから誰よりも家族が平和で居ることを願ってたんだよ。けど俺らが中学に上がる前くらいだったっけな、お母さんたちと会えなくなった。って泣いてきて話を聴けば複雑で俺理解出来なかったけど、おじさんに養ってもらうことになったけど自分は行きたくない、って。
けど周りに身寄りがなかったアイツは結局おじさんに養ってもらって、高校になってから一人暮らし初めて、多分一番孤独なんだよ、あいつは
それを、俺は守ってやりたくて」
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美紀(プロフ) - 作者さんこの小説残してほしいです (2021年5月31日 20時) (
レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
ふらっしゅ(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます！移行後も皆様に楽しいストーリーをお届けできるように頑張ります！コロナで少し忙しい日々が続きますが絶対良くなる日が来るって信じてお互い気持ちだけは明るく居ましょうね！^^* (2021年3月6日 10時) (レス) id: dceb5e0f83 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年3月5日 14時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふらっしゅ | 作成日時：2020年4月15日 2時
