モブ？モブイン？いやいや多分準レギュラー

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時刻は8時過ぎ､お客様は居ない
あたしはウインドウの外を見ながら

遅い
蘭は確か小五郎さんもいるので6時半までには帰ると言っていたのに
どうしたんだろう…

と思っていた


「Aちゃーん､もう上がっても大丈夫だけど……あれ？どうしたの？物思いにふけって」

『あ､いえ……ちょっと蘭が心配で』

「蘭ちゃん？」


そういえば朝に出てったきり帰ってこないねぇ､と眉を下げて梓さんが言う
6時半には戻ると言っていたんですけどね､と返すと､まさかデートだったり？と笑顔を見せて問いてくる


『まぁ…そんな感じですね！』

「きゃー！いいわね！青春！」


お客様がいないので2人で盛り上がっていると､マスターが裏から出てきてあたしに封筒を差し出した


「これ､今日のお給料だよ！本当に助かったよ､ありがとう！」

『……えっ､えぇ！？そんな！1日なのに悪いです！』


何度も言うけど本当に助かったんだよ､と笑顔で渡される
梓さんも､そうそう！受け取って？と肩に手を置いた


『あ､ありがとうございます…！』


生まれて初めて受け取ったお給料
自分で働いて貰ったものはとても嬉しいでは収まらない感情が湧いてきた


「良かったね！」

『はい！』


梓さんの方に振り向くと､外に蘭が歩いているのが見えた


『蘭！あ､すみませんちょっと出てきますね！』

「うん！行ってらっしゃい！」


ドアベルを勢いよく鳴らしながらあたしは外にとび出た

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