【弱ペダ】blue cycle 2【短編集】 (ページ18)

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言えない 2 荒北ページ18

「ハァ？」

何となくって何だ。と、いつものように目をつり上げ嫌味っぽく返答する。と、

『靖友も、乗ってると思って！ビアンキ！』

と、満面の笑みを浮かべた。ドキッとしたなんて、ガラでもねェ。俺のことならなんでも知ってると、いつも何かあるごとに言ってくるが、否定できない。

「フーン。ンで、主人公も乗ってンのか？」

と、聞くと、嬉しそうにうんっ！と、答えた。前から姉貴ぶって世話焼きだった主人公は、たまに俺のマネをしてくることもあった。今もそうだ。俺のマネをしたがり、ビアンキだって買ってた。

『いつかは、靖友と一緒にサイクリングしたいな！』

と、言ってくるコイツは愛しくてしょうがない。ン。と、短めの返事をして

「ンじゃぁ、今から行く？」

と、言うとポカンとしてからパァッと笑顔になって嬉しそうに首を縦に振っていた。

『靖友だーいすき！』

と、絶えず笑顔で言ってくる。
コイツの好きはきっと長年幼馴染みとしての好きなのだろう。と、言い聞かせるも嬉しい。俺は今までも好きと言われても、俺も好きと返したことは無かった。別に嫌いだからとかではなく、主人公には恋愛として好き、と言いたいから。

相手は恋愛対象として言っていないことは分かってる。けど、俺はちゃんと幼馴染みとしての好きすら言えない。

けど、今日は何となく特別。

「俺も、主人公のこと好きだヨ。」

と言うと、主人公は、顔を赤くして驚いていた。後から俺も恥ずかしくなって顔が赤くなるのがわかった。

『ありがと』

と、照れて言う君に、

言えてよかったな。と、思った。

ーーーーーーきっと俺が次にアイツに好きと言うのは告白の時。