永遠を ページ39
吸血した事で満足したのかシュウは横になって寝ようとしていた。
｢ねぇシュウ？もう寝た？｣
シュウ｢んー？まだ起きてるけど｣
いつもの倍眠そうな声で答えるシュウにクスッと笑った。
｢ヴァンパイアはさ、耳も鼻もいいんだよね？｣
シュウ｢まぁ…アンタの匂いを嗅ぎ分けることなんて簡単だし、俺の部屋にこっそり来ても無駄だな。｣
｢そっかそっか｣
私は今のまま、人間のままだとこれからもみんなに迷惑をかけ続けるだろう。それこそ死ぬまで。
でも、もしヴァンパイアになって、1人で歩けて、生活出来て、ってなるなら…
それに、永遠の命があればシュウは1人になんてならない
｢ねぇ、シュウ｣
シュウ｢…ダメだ｣
｢え？｣
シュウ｢アンタに永遠なんて耐えられるわけないだろ｣
そっか。
私が何を言うか、もう分かってるんだ。
なら話は早い。
｢1人じゃそりゃ耐えられないよ。
でも、シュウを置いて死ぬなんて嫌だし、シュウを独りになんてさせたくない。｣
シュウ｢俺の為にヴァンパイアになろうとしてるならやめろ。俺はそんなこと頼んでない｣
｢違うよ。シュウの為なんかじゃない。
シュウと一緒に生きたい。シュウを独りにさせたくない。これからもずっとずっと一緒にいたい。
私の、わがままだよ｣
子供みたいに駄々こねてるだけ。
誰かの為に人間を捨てる程私は強くないもん。
シュウ｢はぁ…わかった。
アンタの意思は変わらないんだな｣
｢うん｣
シュウ｢じゃあお望み通り、ヴァンパイアにしてやる｣
そう言うとシュウは身体を起こし、私の顎を掴んだ。
シュウ｢覚悟はいいか？｣
｢うん…｣
シュウ｢…ホント、馬鹿な女｣
シュウは自分の舌に牙を立て、溢れ出る血液を口移しで私に飲ませた。
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作者名：縷僂 | 作成日時：2019年11月18日 23時
