【ディアラバ】盲目少女【逆巻シュウ】 (ページ28)

今日:85 hit、昨日:79 hit、合計:147,252 hit

何故ページ28

シャワーで汗を流して湯船に浸かった。
静寂が嫌でも先程の光景を思い出させた。

｢なんで今更…｣

ここに来てから不思議な程忘れられていたのに。
いや、でも忘れない方がこれからもずっと楽だろうな…

｢…はぁ｣

母は私と父を置いて家を出た。
全部父のせいだった。
酒に溺れ、ギャンブルに逃げ、家族を捨て、母を壊した。
散々な日々だった。
母は私を助けてはくれなかった。1人で逃げたんだ。

それからも最悪だった。
学校に行って嫌いな奴に無理して合わせてニコニコ愛想振りまいて、ストレスが溜まるし、挙句の果てにうざいだのだるいだの好き勝手言ってくれちゃって…
告白されて付き合えば勝手に言いよってきた癖に面白くない、つまらない。勝手に期待して裏切られた気にならないで。ほんと迷惑。

トドメを刺したのは父だった。
今でも忘れたりなんかしない
『一緒に死んでくれ』
締め切った部屋の中、手足を縛られて練炭を焚き出した。どんどんと息苦しくなって、手足が動かなくなる恐怖は今でも鮮明に思い出せる。
死に物狂いで窓ガラスを頭突きした。
頭から血が出るのなんて気にもならなかった。
それよりも死ぬ方が嫌だった。
アイツと一緒になんて死んでやらない。
その気持ちだけが頭を埋めつくしていた。

｢はぁ…｣

やっぱり人間なんて、他人なんて、私にはいらない。

｢このまま孤独でいいよ…｣

未来なんて、希望なんて、苦しいだけだ。