プロローグ ページ1
古い屋敷の扉の前、少女は考えていた。
何度ノックをしても開かない扉。
そもそも屋敷の中から人の気配が感じられないのだ。
｢留守…？｣
そんなはずは無いのに。
確かに今日この時間に行くことは伝わってるはずだ。
そう思いながら時計に目を移した時、扉が開いた。
？｢誰です？｣
眼鏡の奥にきつそうな目…
自然と身体が強ばった。
｢あっ、今日お伺いすると連絡を入れていた鷹崎Aです｣
レイジ｢あぁ、貴方が。入りなさい｣
頭の先から爪先までジロジロと見られた。
感じ悪いな…そう思いながら屋敷に足を踏み入れた。
それから広い部屋に通された。
ソファで座っていると、レイジと名乗った男の人が紅茶を淹れてくれた。
｢ありがとうございます｣
1口飲むとあまりの美味しさに目を見開いてしまった。
何かコツとかあるのか、そう聞こうと思った瞬間だった。
レイジ｢貴方達、起きてるならさっさとこっちに来なさい｣
私とレイジさん以外いないはずなのに声を張って言うものだから驚いた。
さらにその声を聞いてか、次々に人が現れた。
文字通り何も無いところから唐突に。
さらに驚いてカップを落としてしまった。
ﾊﾟﾘﾝｯ
｢あっ、ごめんなさい
っ、｣
割れてしまったカップをまとめようとして指を切ってしまった。
レイジ｢はぁ…鈍臭いですね｣
？｢血が出てる…｣
？｢んふっ、美味しそうだねぇ〜｣
紫髪の少年と帽子をかぶった少年がいつの間にか背後に立っていた。
｢ま、待って…貴方達は一体…｣
？｢名乗って欲しけりゃ自分が先に名乗れよ｣
赤髪の少年がそう言ってハッとした。
｢あ、私は鷹崎Aです。
今日からここでお世話になると…そういう、話でした、けど…｣
ぎらりと光る目と鋭い牙が覗く唇。
血を欲するその姿…
｢ヴァンパイア…｣
どういう事なの？
ライト｢正解！よくわかったね〜
あ、僕はライト。よろしくね｣
カナト｢カナトです…｣
アヤト｢アヤトだ｣
シュウ｢…シュウ｣
スバル｢スバルだ！｣
一気に名乗られても全く頭に入ってこなかった。
正直それ所じゃないのだ。
ライト｢さてと、早速血を頂こうかな〜？｣
カナト｢甘くて美味しそうな匂い…｣
｢待ってください！｣
ライト｢なーに？｣
｢せめて、ひ、1人だけで…お願いしますっ｣
全員相手なんて無理だ。血が足りない。
そう思って叫んだ
ライト｢…
ぷっあっははーっ｣
｢え…？｣
ライト｢いやぁ、ごめんね〜笑っちゃった
で、誰がいいの？｣
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作者名：縷僂 | 作成日時：2019年11月18日 23時
