＊ ※ ページ10
Blue.
「ちょっと、きょも！？」
高地がコンビニに駐車した途端、きょもが車から飛び出した。
スライドドアが全開になると、しゃがみこんでいるであろう彼の服がちらりと覗いた。
車内は狭いし、慌てていたから多少足がもつれたものの、外に出る。
きょもは車体にもたれていた。口を押さえている両手からぽたぽたと液体が垂れ、白い服を汚している。
「慎太郎！ 袋取って。はやく！」
サイドシルに片足を乗せて叫んだ。状況を理解していないようだったけど、慎太郎はグローブボックスから袋を出す。ひったくるように受け取ると、きょもの口元にもっていった。
汚れている手を慎重に口から離してやる。
「うぇ、はぁ…、おぇっ……、げほ、」
「ああ……きょも、もらっちゃったのかあ。
辛いね、全部出しちゃいな」
慎太郎が降りてきて、きょもの背中をさする。高地は、どうしたんですか！ とすごい形相でやって来たスタッフさんに事情を話しているようだった。
もちろん、コンビニを利用する人も多いわけで、コソコソ何か言われてるのも、冷ややかな眼差しを俺らに向けているのも分かる。だけど、動かせるような状態じゃないから。
人目についてしまうけれど、こればっかりは仕方がない。
上着とかあったら、ちょっとはマシかもしれないが、この気温じゃ…ねえ。流石に着てない。
「はあっ…ん、げほげほっ、はぁ、…も、いい」
きょもは袋から口を離す。袋をギュッと固く縛り、もう1枚車内から持ってきて、厳重に密閉する。
北斗はジェシーに膝枕をされていて、ある程度は落ち着いたんだろうけど、まだ少し辛そうだ。
「大我、大丈夫？」
控えめな声でジェシーは言う。彼なりの配慮だろう。北斗の耳をさりげなく覆っている。
もう落ち着いた、と言えば、そっかと微笑んだ。
「はい、これ使いな。手拭いてやって。あと、水も」
高地が戻ってきて、ウエットティッシュをコンクリートに置く。ペットボトルは直接渡してきた。
慎太郎が手を綺麗にしているから、俺は口の方を優しく拭く。
「口ん中気持ち悪いよね。すすごっか」
流石に使いすぎだよなあと反省しつつ、水をゆっくり含ませ、新しい袋に吐かせた。胃酸で喉が痛いのか、少し掠れた声で「ちょーだい」と言うから、少量ずつ飲ませていく。
酷く疲れた様子のきょもを、リクライニングを倒しても問題なさそうな助手席まで、慎太郎にお姫様抱っこで運んでもらった。
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tiroru(プロフ) - ばーん。さん» ありがとうございます。了解です。ゆっくり待っていますのでばーんさんのペースでよろしくお願いします。 (2020年4月12日 12時) (
レス) id: b6a5c69903 (このIDを非表示/違反報告)
ばーん。(プロフ) - tiroruさん» 了解致しました！ お待たせしてしまうかと思います。少々お待ち下さいませ。 (2020年4月12日 1時) (レス) id: 6373f24c9d (このIDを非表示/違反報告)
tiroru(プロフ) - 2編目への移行おめでとうございます。いつも楽しく見ています。リクエストなんですけど、北斗くんが役作りでダイエットをしていて拒食みたいになってしまい、youtubeで食べる企画の時に苦労していまうというのがみたいです。可能であればお願いします。 (2020年4月12日 0時) (レス) id: b6a5c69903 (このIDを非表示/違反報告)
ばーん。(プロフ) - ry_ryさん» 了解致しました！ 全然大丈夫です。ありがとうございます。少々お待ち下さい〜 (2020年4月11日 10時) (レス) id: 6373f24c9d (このIDを非表示/違反報告)
ry_ry(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いてます！もし可能でしたら、京本くんが体調不良になってしまって、北斗くんが心配するみたいなのが見たいです（ ; ; ）！出来たらで大丈夫ですので、ご検討お願いします！ (2020年4月11日 1時) (レス) id: 226a24f45a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばーん。 | 作成日時：2020年4月10日 1時
