・ ページ29
もう10分くらい経った頃だろうか。
厨房から足音が聞こえ、Aは顔を向けた。
すると出て来た意外な人物に、口が開きかけた。
「･･･ひ、とらん」
「天使様･･･」
硬直し、ふたりの時間が止まる。
するとひとらんらんは手に持っていたシチューの鍋を置き、Aの方へと歩いていった。
「天使様、もしかして俺らに恩恵を与えるのを辞めるつもり？」
「･･･え、何でそれを」
「やっぱり･･････」
はぁぁ･･･とひとらんらんは深いため息をつく。
Aは何が何だか分からずに首を傾げていると、食堂の扉がバン！と凄まじい音を音を立てて開いた。
「ヒッ、誰･････････って皆･･･？」
此方に歩いてくるのは、紛れもない彼等だった。
先頭にグルッペン、そしてその後には幹部達。
「天使様、この城から何で出てくんですか･･･」
ショッピがそう尋ねると、Aはあほ面から気を戻しふん、と顔を逸らす。
「･･･そんなの、利用されてるからに決まってるじゃない」
「利用？誰が誰を」
「皆が私を！うんざりだよ、私、皆となら仲良くやっていけるかと思ったのに･･････」
「････････････」
視界がぼんやりになり、濡れた頬には細い髪が何本か絡みついている。
Aは荒く目元を擦った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 251人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひぐさん(プロフ) - ぴうぱさん» 有難う御座います！とても嬉しい限りです。 (2020年5月25日 16時) (
レス) id: dcd65c88e0 (このIDを非表示/違反報告)
ぴうぱ(プロフ) - 続編おめでとうございます！世界観に惚れました…。これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: a061e21708 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひぐさん | 作成日時：2020年5月25日 10時
