確信 ページ26
「･･･どうしたんです天使様？」
不意にオスマンに掛けられた言葉にAは漸く気を取り戻し、なんでもない！と返す。
その時焦ったのがいけなかったのか、カップの銀紙に触れた瞬間、鋭い痛みが人差し指を襲った。
「いっ」
小声だったのに、それに気付いたオスマンは直ぐにAの人差し指を見る。
指から零れた赤い液体に顔を歪ませ、慌てて医務室に行かんと！と大声を出した。
「これくらい大丈夫だよ、切ったくらいすぐ治るし･･･」
「何を言ってるんや、貴方に傷があるなんて許されん！」
その言葉に目を見開き、ゆっくりと下を向くA。
お互いが無言になり、重い空気が辺りを包んだ。
「･･･ねぇ、傷があったら私はだめなの？」
「･･･え？」
「キズモノになったら国の恩恵に関わるとでも！？最近みんなおかしいよ！外に出たいだけなのにどうして外へ出してくれないの！？
人の目について奪われるのを恐れてるから！？
嬉しいとか言っておいて、私を利用してるだけなの！？」
早口でそう告げるAの瞳からは、我慢してきた大粒の涙が溢れ出る。
オスマンがその瞬間赤く頬を染めながらゆっくりと口角を上げていたのを見て、瞬時に悟った。
･･･あ、本当に利用してただけなんだ。
Aはエプロンをつけたまま駆け出し、食堂を出る。
途中後ろからオスマンの声が聞こえてきたが、今のAにはその声を聞く余裕などなかった。
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ひぐさん(プロフ) - ぴうぱさん» 有難う御座います！とても嬉しい限りです。 (2020年5月25日 16時) (
レス) id: dcd65c88e0 (このIDを非表示/違反報告)
ぴうぱ(プロフ) - 続編おめでとうございます！世界観に惚れました…。これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年5月25日 16時) (レス) id: a061e21708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひぐさん | 作成日時：2020年5月25日 10時
