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すると、髪を撫でていた手が、今度はオレの顔を包み込み、そんな顔しても無駄だよお、と笑った。
顔の距離も、あと数センチで唇がぶつかりそうなところまで来ると、一言。

「もちろん顔だけじゃない。ようへいくんの全てが好きです」

「へぁ、、、」


瞬間、
漸く、
突然、
いや、

もう、なんでもいいや。


とにかくオレは、間抜けな声を塞ぐように、はじめくんにキスをされた。


いつもの、おふざけじゃない。
まるで、恋人にするみたいな、優しい口づけだった。

長いような、短いような、はたまた時が止まったような。言い知れぬ感覚に襲われながら、ただひたすら頭の中が白んでいくのがわかった。



「あ、あのあ、の…はじめく、ん」
「ご、ごめんなさい、さすがに嫌…ですよね」
「そんなわけ…!ないです、むしろ、嬉しいというか、、えぇと」

うわ、オレ気持ち悪りぃー。こんな挙動不審な姿、絶対引かれてるでしょ。

チラリ。
直視したら負けだと思いつつも、今はじめくんがどんな顔をしているのか興味が湧いて、下から盗み見るように見上げた。
すると、まん丸に見開いた目がこちらを凝視しているのがわかった。
珍しく、顔中真っ赤にして。
こんな顔の、はじめしゃちょー、滅多にお目にかかれない。…幸せ。

超絶尊いんだが。

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作者名:みち | 作成日時:2019年9月26日 7時

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