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■いかないで ウォヌ ページ3

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数え切れないくらいの時を一緒に過ごした、ウォヌの部屋。
窓からは夕日が差し込んで、私たちを赤く染めている。





ベッドに並んで座る私たちは、もうすぐ、さよならをする。




いつだって、そしてこれからも、ウォヌの隣にいるのは私だと思っていた。
でも、それが現実になることは、もう、ないんだ。



中学生の頃から付き合っていた私達二人。
高校生になっても、順調に付き合いは続いていたのに。
ウォヌと私はすごく離れた大学に進学する。


お互い大好きだというこの気持ちは、変わることなんてないのに。


それでも私たちは、別々の道を歩むことを決めたから。
夢を追いかけるには、そうするしかなかったんだ。






「今まで、すごく楽しかったね」
「ああ」
「また、ウォヌと水族館行きたかったなあ」
「……ああ」




寄り添う私たち。
隣から感じるウォヌの少し低めの体温が、いつだって心地よかった。
手触りのいい髪だって、切れ長の瞳だって、細身の身体だって、全部全部私だけのものだったのに。



強く握られた手に光るのは、雑貨屋さんで買ったお揃いの指輪。
この指輪でさえ、今日で。
(今日という日を閉じ込めてしまいたい。明日なんて来なくていいから)




「ウォヌと付き合えて幸せだったよ」
「……俺だって、Aといられて、毎日が充実してた」
「私達、成長した、よね」




目線をウォヌに向けると、そこには泣きそうになっているウォヌがいた。
私の問いかけに静かに頷いたウォヌを見て、ああ、寂しい辛い悲しい大好き離れないでいかないで私を一人にしないで、全ての感情が溢れ出してしまった。
(決してそんなことは言えないから、代わりに涙がただただ溢れだした。)




「……これっ、で、少しは、大人になれ、るの、かな」





そう言った瞬間、ウォヌの手が優しく私の頭を撫でた。









「なれるよ、Aならきっと、大丈夫だから」









大人になれなくてもいい、
(ウォヌがいないなら、ウォヌといられないなら、全部意味なんてなくて)









その言葉を必死に押し殺した。







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君の隣 ウジ→←■おぼろげなりんかく ミンハオ



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作者名:一色(ひいろ) | 作成日時:2017年1月31日 2時

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