Ice에서cream. (ページ5)

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「入るよ」

ノックの音と同時に聞こえる懐かしい声に顔を向ければ
ドアが開いて見えた声の主はにこにこと笑った。

「代表、お久しぶりです」

「あはは、久しぶりだねA。元気そうでよかった」

席を立ち頭を下げてからもう一度座ると
代表は微笑み一つ席を空けて腰かけた。

「おかえり」

テーブルに両肘を置くと指と指を重ねて前のめりになり
私の目を見て代表は言った。

「帰ってきました。凄くいい経験をしてきました。またここで働けることを光栄に思います」

「それはよかった。戻ってきてくれてありがとう」

『感謝してるのは僕だよ』と付け加えるとにこにこしていた顔は真剣な顔に変わった。

「君にまた、救ってほしいグループがあるんだ」

「はい」

早速本題に入ったわけだが”また”というのはきっと
私が７年前ほどに作曲したTWICEの『TT』という曲が爆発的にヒットしたときのことを言っているのだろう。

あの曲は国内でも海外でも有名になりTWICEというグループの知名度を一気に上げたといっても過言ではなかった。

TWICEはデビュー前から期待されていたグループで売れてないわけではなかったが
今ここまで有名になれたのはもちろんタレントの頑張りでもあるけど、自主製作グループではないTWICEが、こんなに曲が人気なのは私の作曲のおかげだと代表はよく言ってくれる。

「君がいなくなってデビューしたグループ『StrayKids』を知っているかい」

「StrayKids...」

JYPからいなくなってもちゃんとデビューしたグループは把握していたし
既にいたグループの曲も新曲が出るたびに聞いていた。

だからStraykidsの存在もちろん知っている。

「デビューして２年程経つが伸び悩んでいて…また君に曲を作ってもらいたい」

「でもあのグループは確か…」

自主製作グループではなかっただろうか。

「次のカムバまでにとは言わないが早めにヒット曲を出さなければほかの事務所のグループにどんどん差をつけられてしまう」

「なるほど、でも自主製作グループなら彼らと相談をしながら曲を作りたいです」

私はアイドルではないが作曲家だ。
作曲家の気持ちはわかる

自主製作グループが、完全に人が作った曲を歌うなんて悔しいに決まってる。
やるなら真剣に向き合って彼らの作りたい音楽を一緒に作りたい。

「そう言うと思って彼らのマネージャーを呼んでいるんだけど、入ってもらってもいいかな」

「もちろんです」

そういうと代表は扉に向かって声をかけた。