Ice에서cream. (ページ30)

今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:40,992 hit

２６ページ30

「ヒョン！ここにいた！」

「…イエナ、どうしたの？」

扉が開いて現れたのはあの人ではなくイエニだった。
扉を開けた瞬間ばっちり目が合って、なぜこっちを見ていたんだ？というように少しびっくりした後すぐにいつものにこにこ笑顔になるイエニ。

滅多にここに来ることなんてないのにどうしたんだろう。

あの人じゃなくて少し残念に思ったが、あの人が来るわけもないか。とその考えはすぐに頭から消した。

「作曲家の人、決まったって！」

「そうなの？」

嬉しそうにそう言うイエニに、わざわざ伝えに来るほど嬉しかったのかと微笑ましく思う。
イエニは僕の隣に来ると柵の上で腕を組んで腕の上に顎を置いた。

そのまま外を見ていた顔を僕のほうに向けるとまた口を開く。

「うん、今練習室にヨンボギヒョンとスンミニヒョンと僕が先についてたんだけど、チャニヒョンが突然来て『マネージャーヌナから作曲家決まったって連絡あったよ』って教えに来てくれたの！」

『それでチャニヒョンはすぐ作業しに戻っていった！』と付け加えるとまた外のほうを向いた。

「そうなんだ。じゃあこれから曲ができてカムバできるようになるんだね」

「プロの人だろうしそうなるだろうね！」

にこにこのイエニを見て僕もにこにこになる。

そっか、やっと決まったんだ。
みんな不安だったと思うからすごく安心した。

今日は練習したらいつもよりおいしいものを食べて帰ろうかな。

僕はずずーっとストローでアメリカーノを飲み干して柵から手を放す。
イエニもそれを見て柵から手を離すと何も言わずとも二人で廊下へ向かいはじめた。

「練習がんばろ」

「うん！ヒョンに負けないくらいがんばるよ！」

「ははっ、僕も負けないよ」

きっと、うまくいく。

この時はそう思っていた。