Ice에서cream. (ページ26)

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次の日、僕は朝から歌の練習をしていた。
個人練習室で集中していたせいで気付けば12時を回っている。

休憩しよう。歌うのって結構体力を使うし何か食べないと頭が回らなくなる。
それに午後から3RACHA以外のメンバーとダンスの練習をする予定もある。

3RACHAの３人はあの日からも曲を作っている。
専属を雇うとは言われたけど曲を作るのも勉強だし専属が来るまでの期間が思ったよりも長かったので曲が使われるかはわからなくても、少しでも早くカムバできるようにと曲を作っておくらしい。
とはいってもあの３人は歌もダンスも曲作りとは別に、僕らと同じくらい頑張っているから体を壊さないか心配だけど…

練習室を出るためにPCやマイクを片付けながら食堂に行くか外で食べるか悩んだ末、カフェに行くことにした僕。

いつも行くお気に入りのカフェに着けば、店長がいつも来てくれるお礼にと『次に来た時アメリカーノ一杯無料券』をくれた。ラッキー。

パンとアイスアメリカーノを買って会社に戻る。
食堂のどこかに座ろうかと思ったら別グループの先輩がいるのが見えて気まずいのでやめた。

練習室の鍵も返しちゃったしダンスの練習の時間はまだだから鍵は開いてないだろうし…

グループトークでみんながどこにいるか聞いて、既に会社にいるメンバーがいたらそのメンバーが作業してる部屋に行こうかな？
いやそれもそれで面倒くさいか。なんて思いながらトークを送るのを躊躇っているといい場所が思い浮かんだ。

外の空気のせいで重くなっている扉をパンとアメリカーノを落とさないよう肩で押すようにして開ければ行き場を見つけた風たちが建物の中に流れ込む。

ぶわっと吹いた風で前髪が揺れて反射的に顔を顰めるけど、風は気持ちがよくて扉を閉めた後誰もいないのを確認して深く息を吸った。

ベランダ
僕のお気に入りの場所。

ここの空気や景色が好き、疲れた時や落ち込んだ時にはすごく癒されるしなんてことない日も空を見ていろんな考え事が出来る。
そしてここには人が全然来ないから一人が好きな僕にとってはすごく居心地がいい。

「はぁ～…」

柵に腕を置いてアメリカーノを飲む
今日は甘いパンを食べたくてクリームの入ったパンを買ってきた。

(昼ご飯でこんなもの食べてたらスンミンとかに怒られるだろうな…)

甘いクリームには冷たいアメリカーノ
クリームの甘さがコーヒーの苦みと上手く調和していて最高

忙しない日々の中
こんな時間をもっと大切にしたい。