警戒が解けるきっかけは、意外と簡単？ ページ43
tn side
最初は、魔王を仲間にするなんて賛成できなかった。
だって魔王やで？勇者は魔王を倒すのが役目やん。
せやのに仲間にするって…おかしい話やろ？
俺は賛成しなかった。でも、忠誠を誓った彼が…グルさんがどうしてもって言うから魔王を仲間にしようと頑張ってみた。
結果、魔王は俺達の仲間になった。
俺以外全員がそれに大喜びだし、何よりもグルさんが一番嬉しそうだったから、文句は無い…と思う。
けど…少しだけ、気になったことがあった。
それは、彼女の仲間のことだ。
見る限りでは彼女は仲間を凄く大切にし、また、仲間も彼女を大切にしていた。
あの人達の関係は、きっと深く、簡単には切り裂けないものだろう。
俺達みたいに…。
何となく、彼女が自分と似ていると思った。
だから、大先生とシッマから助けた。
「ありがとうございます」
魔王に、お礼を言われた。
tn「べつに。困っとったから助けただけや」
もっと他にも言うことはあっただろうに。
俺の口からは、冷たい言葉が出てきてしまった。
謝ろうにも気が引けて、結局その場から離れることしかできない。
「…ごめんなさい」
小さく、魔王がそう言ったのを聞いた。
彼女が悪いわけではないのに。
冷たくした俺が謝るべきなのに。
tn「っ…」
胸が、痛んだ。
A side
それからはもう…地獄絵図だった。
全員が酔っ払って机に突っ伏し、零れたワインがまるで彼らの血のように辺りを汚していく。
「…いや、何だよこれ」
唯一残った私は、これからどうしようか考える。
「とりあえず…この要塞がどうなっているのか把握して、トイレ、風呂の位置、彼らの部屋を覚えなければ」
魔王の能力で、だいたいの広さを確認。
んでもって危険物がないかどうかを探った。
……うん、問題なし。
次に各部屋を覚えようとした時だ。
グイッ
「わっ!？」
ボフッ
「うぐっ」
誰かに腕を引っ張られ、そのせいで固いけど柔らかい、人間独特の感触のものに背中からダイブした。
すぐさま離れようにも、後ろから回された手が私をがっちりと抱き締められ、身動きができない。
っていうか、誰だよ、引っ張ったのは…!!
tn「んん…」
貴 様 か ト ン ト ン
お前、私を警戒していただろ。
「はっ、離せッ…放せッ…!!」
暴れてみるも、相手は男。かなうはずがない。
「…もう、いいや」
私は諦めて力を抜く。
トントンの体温が気持ち良かったので、そのまま寝てしまった。
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名月 - 亜業ｻﾝさん» 同じ青森出身、というだけでめちゃくちゃ嬉しいです！！更新、頑張りますね！！！ (2019年8月4日 17時) (
レス) id: 4c76c89200 (このIDを非表示/違反報告)
亜業ｻﾝ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!貴方の作品はとても面白いので次の更新が待ち遠しいです!同じ青森出身なので頑張ってください! (2019年8月4日 14時) (レス) id: a37714ed05 (このIDを非表示/違反報告)
名月 - ここさん» ありがとうございます！！番外の方も期待していてください！！ (2019年7月26日 20時) (レス) id: 4c76c89200 (このIDを非表示/違反報告)
ここ - 最高すぎ、更新楽しみやわ。 待っとるでww (2019年7月24日 1時) (レス) id: fb4821fb61 (このIDを非表示/違反報告)
名月 - (名前)ワンザさん» 嬉しいです…！！ (2019年7月22日 20時) (レス) id: 4c76c89200 (このIDを非表示/違反報告)
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