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「うーん……、明るくて素直な良い子だったよ。
あと俺の事が大好きだったかな、及川先輩って親しんで呼んでくれてたよ」
ニコリと楽しげに話す及川さん。
話によると、以前の私は恋人である及川さんの事が大好きで、付き合う前から好意を示していたらしい。
まあ、そりゃこんな良い人、好きにならない方がおかしいかもしれないけれど。
「学校とかって…」
「え?あぁ、同じ学校だよ」
「あ、いや、違くて。ええと、私が学校に行かなくなってどれくらい…ですか?あと、私学校に行かないとダメですよね」
あー、と少し変な顔をして考え込んだ後に教えてくれる。
「Aちゃんが記憶喪失になってからはあまり時間は経ってないんだ。事故にあったのが1週間前で、その間は勿論入院してたから学校は公欠だよ」
あ、思ったよりそんなに時間は経ってなかったんだ。
てっきり、3ヶ月くらい経ってるのかと思ってた。
だって、外傷とか痛みとか、私が見える限り無いし。
ていうか、ここに来る前は病院にいたんだ…。
「今日は土曜日だから明日は学校無いけど、お義母さんと、Aちゃんの回復具合を見て学校に行こうって話はしたよ」
「なるほど……なんか、すみません」
「? なんでAちゃんが謝るの?」
「あ、いや…色々ご迷惑をかけたみたいですし」
「迷惑?そんな事ないよ、俺はAちゃんの事が好きだからそんな事、苦でもないね」
まるでドヤ顔を決めるかのように言い切る及川さん。
はあ、ほんとに良い彼氏を持ったね、以前の私。
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作者名:ひじき | 作成日時:2018年8月7日 22時