【浦島坂田船】君との時間を願います

口付けに願う ページ24

坂田side




Aが倒れてから一週間後、抗がん剤の治療が始まった。



最初は元気だったAも頭痛、吐き気と薬の副作用に悩まされていた。



坂田「大丈夫？A....」



「.....う、ん」




坂田「どこか痛いところとかない？気持ち悪いとか...」



「....少し、喉渇いた..」



坂田「待ってね、.......はい」





僕はペットボトルにAが飲みやすいようストローを差してから口に近づけてあげた。



ｺﾞｸｺﾞｸと
渇いた喉を潤していく。



しかし、それでも飲みずらそうで



坂田「A、貸して。」



自らの口に水を流し込み横たわっているAに口付けをした。Aの口を器用に開けて流し込む。



驚いた顔をするAも素直にそれを受け入れた




坂田「...ん、」



「ぷはっ.....憂樹。」



坂田「ごめん、飲みずらそうだったから...つい。嫌....だった?」



「ううん。嬉しかった。」





ありがとう。




そう口にするAは和らいだ表情をしていた。




そしてこんな生活が１ヶ月、２ヶ月と過ぎ




今は秋
肌寒くなってきたこの頃。



Aの容態も良くなってきた。




そんなとき、



「ねぇ、憂樹。お願い事聞いてくれないかな？」

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