【ＯＮＥＰＩＥＣＥ】届けたいオモイ (ページ37)

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Aに覆いかぶさるように抱きしめているシャンクスに、シャンクスの身につけていたサーベルを彼の胸に突き立てるA

顔面蒼白になりながらがたがた震えているAを、それでも尚離さないシャンクスは小さく舌打ちをした

「A」

その声に反応したのか、Aは大袈裟に体を撥ねさせた

その彼女の手にそっと添えた手で、サーベルを自身の体から抜き取った

そして、それよりももっと右側にその刃を突き立てさせた

「情けをかけたつもりか？

俺がそんなことで退く男だとでも思ったか？」

シャンクスは、その手に力をこめた

「殺すつもりなら、ここを刺せ」

『俺から逃げたいのなら、俺を殺せ』

シャンクスは追い討ちをかけるように耳元で囁いた

彼女は、とうとう崩れてしまった

　

「できないよ…！

できるわけないよ、シャンクスは、シャンクスは、私にとって…！」

その先の言葉が、自分の望まない言葉であることは、彼はもう充分に知っていた

だからこそ、聞きたくなかった

「大丈夫だ、少し、意地悪しすぎた」

彼女の口をそっと手で塞ぎ、努めて穏やかな表情でいるよう心がけていた

シャンクスはその手をそっとどかし、彼女の体を起こした

少し、距離を開け、彼女の安堵したような表情が浮かぶのを確認した後、努めて穏やかに、刺激しないように話し出した

「でも、さっきまでのことは事実だ

…だが、気持ちに応えろ、とまでは言わない

少しでも、ほんの僅かでも可能性があるのなら」

『まだ、お前のことを想い続けていてもいいか？』

シャンクスはすごく切なそうな、しかしどこか優しい表情をした

彼女は、目を伏せながらコクリ、と一つだけ頷いた

　

　

　

　

　

　

　

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