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しばらくその立ち位置のまま時間が過ぎた
終始無言だったが、そこになにか心地の良い空気を感じていた
「あれだな」
不意にAが言葉をついた
「こうしていると、シャンクスの傍は居心地がいい」
その言葉に、少なからず期待を抱いてしまったシャンクスに罪はない
しかし、そういう意味ではないことは分かっている
期待をするな
虚しくなるだけだ
言い聞かせるたびに膨らんでいく想いは、いつの間にか収拾が付かなくなっていた
「・・・もしも、私に両親がいたらこんな安心できる空間にいることが出来るのだろうな・・・」
“両親”
それは友以上の存在
しかし、けして交わることの許されない存在
「A
・・・お前にとって、俺は父親か？」
いつになく真剣な雰囲気を携えた声だった
それを感じ取ったAも、少し姿勢を正した
「・・・ああ
両親のいなかった私にとって、シャンクスは最高の父親だ」
柔らかい彼女の笑みは、シャンクスに言い様のない苦しみを与えた
「・・・そうか」
・
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