【ＯＮＥＰＩＥＣＥ】届けたいオモイ (ページ17)

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本日は快晴

波も少なく、いい出航日和だ

私は昨日、仕事の関係で知り合った漁師に相談して小船を譲り受けた

小船と言っても、漁で使うような小さな船ではなく個室と風呂とトイレが付いている、海賊船のミニチュアバージョンといった感じの船だった

確実に漁に使う船じゃない

じゃあ、なんでその人は持っていたんだろうか？

疑問を持ちながら船に食料や水など、必要最低限の荷物を放り込んだところで人が走ってくるのが見えた

「Aー！

もう出航か？」

一番に声をかけてくれたのは、あの漁師だった

「ああ、そろそろ出る」

「いなくなるとお前、寂しくなるなー」

「元気でやってけよ！」

口々に労いの言葉をかける人たち

・・・いや、島民の殆ど全員が来ているのではないのだろうか？

そう思ってしまうほどに、港は人で溢れかえってきた

「おねーちゃん、おねーちゃん！」

服の裾をくいくいと引っ張られて顔を向けると、昔構ってやったことのある子供たちが揃っていた

「これ、お守り

みんなで作ったの」

代表して出てきた女の子の手に握られていたのは、不恰好なぬいぐるみだった

何の物体かもはや分からなくなってしまうほどに不恰好だったが、女の子の手を見ると絆創膏がたくさん張ってあった

大方、慣れない裁縫で手を怪我してしまったのだろう

私はそのぬいぐるみを抱き上げると、その子達の頭を軽く撫でた

「今まで世話になった

・・・ありがとうな」

そこにいる全員に聴こえるように大声を張り上げた

澄鉛を肩に担ぎなおして、船の甲板に飛び乗った

船は動き始める

みんなは口々に頑張れ、と応援してくれる

ふと、思い出したことを質問した

「漁師のおやっさん！

なんでこんな良い船を持っていたんだい？！」

その漁師は、近くにいた漁師仲間に目配せをすると、一斉にこっちに向かって叫んだ

『造ったから！

頑張って来いよー！！』

その言葉が、ひどく温かかった

　

　

　

　

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