【ＯＮＥＰＩＥＣＥ】届けたいオモイ (ページ12)

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「ゼ、ハァ・・・ハァ・・・カハッ・・・！」

「もう終わりか？」

Aは甲板に這い蹲るマルコを、相も変わらず冷たい目で見下ろしていた

周りの観客も、あまりにも力の差が歴然としすぎて愕然としていた

そしてAは、最初の宣言どおりにその場から『一歩も動いていない』

Aは澄鉛の重りを床にどんっ！と押し付けた

「もう終わりと言うのなら、そう宣言してくれ

何せ、こっちはバイトの時間が迫っているんだｋ？！」

「不死炎！」

言葉に被せるように攻撃を仕掛けたマルコ

隙を突かれたのか、慌てたように後方に飛び退ったA

「へぇ、まだ闘志があるんだぁ・・・」

「まぁな、負けるわけにはいかねえよぃ・・・

それに・・・」

最初の宣言は崩してやったよぃ

そう、誇らしげに言ったマルコの言葉に、Aは足元を見る

戦闘の始まった当初から、一歩も動いていなかったそこから、初めて『動いた』のだ

「・・・

ふ、くっ・・・

あはははははははははははははは！

はぁっはっはっはっは！」

いきなり狂ったように笑い出したAに、その場にいた人は心底驚いたような顔をした

それでもAは笑うことをやめない

ひとしきり笑った後、目尻に溜まった涙を拭いた

「・・・おもしろいな、あんた

くくっ、久し振りに笑ったよ

・・・『賭け』は、お前の勝ちだ」

そう言い、Aは澄鉛から刀を出した

「くくっ・・・

約５年ぶりだなぁ・・・澄鉛よ・・・」

そう言った途端に、甲板は沸き返るような歓声に包まれた

「さぁ、ここからは本気の勝負だ・・・

白ひげ曰く、『喧嘩』だな」

「受けて立つよぃ」

刀の鈍い輝きと、青い炎が交錯する

見るもの全てが目を惹かれるような、そんな戦いがそこにあった

もう、何かを賭けているときのような目ではなかった

純粋に戦いを楽しんでいる目がそこにあった

　

　

　

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