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「どうして言わなかったの」
京「……」
「ゴミ箱に入ってたんだけど、これ。」
ぐしゃぐしゃになっている、
“打ち上げ会のお知らせ”を
私の前にホレと差し出す。
私とは似ても似つかぬ、整った顔。
きゅ、と上がっている口角がかわいくて羨ましいと思った。
「危なかったよ？あともうちょっと気づくの遅かったらバイト行くとこだったんだから」
京「……バイトは。」
「休みましたよ、当然でしょ！あのね、妹の卒業式を知らなかったコッチの気持ちわかる？知ったのはもう終わったであろう時間！しかも打ち上げ会のお知らせっていう紙切れ！」
京「……妹」
「そうだよサイッッアク！！！妹が高校をめでたく卒業してるとき、俺は大学で寝てた！フランス語の授業！妹は卒業式！」
京「……」
はあ、て溜息をついて
顎を撫でると
探るように目がキョロキョロと私を見る。
そんなに喋った事が無かったから、この人こういう風に喋るんだ…と発見したり。
その瞳といい、雰囲気といい、歳上なのに子犬といるような気分になる。
ていうか、私のこと、妹って認識してるの？
わかんないよ、この人の言うこと。
「あのねえ、」
京「……」
「確かにさ、親がアレだから。 しょうがないと思うよ、うん。そこはね。」
京「……」
「でも俺ら仮にも兄妹じゃん、お前はそう思ってないかもしれないけどね、少なくともわたしはそう思ってるわけ」
京「……うん」
「大学も受かってんでしょ？さっきオバちゃん達から言われてびっくりしたわ」
京「……うん」
「だからさ、今度からこういうのはちゃんと、いいなさいよ、………ね？」
京「…………うん」
ほんっとまったくもーまったくもー、って
私の髪くしゃくしゃして言う。
兄妹。
そう思って、いいの？
「卒業、おめでと。」
家への帰り道を、
“家族” と歩いたのは初めてだった。
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ゆうひ(プロフ) - 当時はこちらの小説を読みながらなんども涙していたことを思い出しました。本当に素敵な作品です。ありがとうございました。長文失礼いたしました。 (2018年2月22日 1時) (
レス) id: 49398f1fdd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - 2013年頃、この小説を読んでいた者です。ふと思い出して読みに来ました。当時私が読んでた頃は永瀬と岩橋と岸くんが一緒にデビューするなんて思ってなかったし、金内が辞めるなんて思ってもなかったです。ヲタ卒して何年か経ちますが久しぶりに当時を思い出しました。 (2018年2月22日 1時) (レス) id: 49398f1fdd (このIDを非表示/違反報告)
まりな - 完結は辛い。でも他にもたくさん出してくれてるのでうれしいです (2016年10月14日 11時) (レス) id: 5c1f037b19 (このIDを非表示/違反報告)
まりな - きゅんとしました！イケメンなのでなんの役でも似合いますね (2016年10月14日 11時) (レス) id: 5c1f037b19 (このIDを非表示/違反報告)
ツインタワー - まずは完結おめでとうございます！ もう、さりげない言葉、行動、登場人物の言葉、気持ちで無茶泣きました。 もう本当に感動したし、それぞれの話でも感動しました。最後の解説では、あぁ〜、なるほどと思ったし、何回も言いますが、本間に感動、泣きました。 (2015年12月10日 0時) (レス) id: 11c551537b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2015年1月8日 23時
