*…── 非 常 階 段 ──…* episode3

「3 ページ22

西条へ。


前、俺に、なんで非常階段に居るん？って聞いてきたことあったやん。
こんなん、自分で言ったらアレやけど、俺はなんでもできてまう人やからです。
授業でなくても、テストそこそこ採れてまうし。
それで、いつも非常階段に居ってん。

ほんとは、そんな自分が怖くて、つまらないと思っとった。

でも、西条と話すようになって、
俺も 世界が変わった。


リカとのことも、
西条が居たから、ああやって言ってくれたから、
兄弟になれました。有難う。

そして、こんな風に西条に手紙を書くのは、
伝えたいことがあったからです。


俺、留学することにしてん。

前から先生は進めてくれててんけど、ずっと断ってて。
けど、最近色々悩んで、自分が未知の所で、自分１人でやってみたいと思いました。

ほんま今まで有難う。
結局、助けられてたんは、
西条やなくて俺でした。


どうか、元気で。



　 小瀧望
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「まだ、間に合うんちゃうん？」

「・・・え、でも・・・」

「車なら、手配するけど？あ、ヘリがええ？」




ケータイ片手に、ほほ笑んだ西畑くん。

やっぱり、根は温かい人なんだと思う。

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