*…── 非 常 階 段 ──…* episode3

「手紙」 ページ20

＿＿＿＿＿＿＿＿あれから、一カ月が経った。




「うおーーー！！夏休みや！」

「廉さんは赤点補講ありますけどね」

「国語表現だけやし…あとは全部90点台やしっ」

「逆にどんだけ国語苦手やねんって話・・・」



終業式からの帰り、
暑い廊下を並んで教室へと歩く。



「ってか、西条もあるやろ？！」

「え？うそやんな？」

「・・・・、数学・・もう生理的に受け付けなくて・・・」

「ほっら〜〜〜〜！！！」

「二人揃ってなにやってるん・・・」



あきれ顔の西畑くんをよそに、
早く教室行こうクーラーの部屋へ！と走り出した永瀬。


・・・・平和、なんだろうな。

勿論、この二人以外に行動をともにする人なんていなくて、
たまに女子には睨まれたりするけれど。

前みたいに、手を出してくることもなくなって。



それもこれも、

小瀧くんのおかげなのかな・・・。




「なにやってるん西条！はよ！」

「ねー俺は？なんで俺は呼んでくれへんの？」

「うっせ、黙れお坊ちゃん。」

「かっ・・・金持ち差別や！！！」

「嬉しい差別やん良かったな」

「ざけんな！」



そんな微笑ましい会話に駆け寄ろうとしたとき







「・・・・えっと、西条、さん？」

「2→←「2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す